笑顔と、花言葉～図書館戦争～ (ページ8)

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8.畳の上は危険だらけページ8

午後からは格闘技訓練。種目は柔道。

あーサボりたい。
私これ苦手なんだよな。体格がよくないからか投げられてばっかり。

というわけで隅っこで小さくなってます。

畳を見ると、郁が私より少し大きいくらいの女子を投げ飛ばしていた。

…これも郁の得意な訓練だ。

｢笠原、さすがにあたしたちじゃ無理。｣

見ていた女子の１人が郁に言う。
そりゃそうよね。
郁は強すぎる。

｢笠原、いっそのこと男子と組めば？｣

と誰かが言ったのをきっかけに、

｢あっ、じゃあ俺が！｣
｢いや笠原、こいつ寝技に持ち込む気だぞ。俺にしとけ。｣

周囲の男子隊員が次々と立候補する。
女子と組みたいなんて下心が丸見えだ。

｢アホか貴様ら！｣

止めに入ったのは堂上教官。

｢笠原は俺と組め。｣

｢教官ずるー｣
｢あれですか、教官も、寝技ですか？｣

などとはやし始めた男子隊員に教官が言う。

｢お前ら心が広い、これを女扱いできるのか。
言っとくが俺は、これに女を感じるほど飢えてない。｣

あーあー教官そんなこと言っちゃって。
郁が怒るよ。

｢大丈夫ですか、教官。あたしより背が小さくておられますが、ちゃんと奥襟まで手が届かれますか？｣

ほら見ろ。
子供っぽく挑発して教官を見下ろしている。

郁、ご愁傷様。
表情に出ないだけで、教官にその挑発はしっかり利いてるはず。

｢始めっ！｣

郁が教官に技をかけようと踏み込む。

ところが教官はびくともしない。

｢なっ、｣

それに郁が怯んだ隙に、

ﾄﾞｫﾝｯ

背中から叩き落とされた。

｢俺より身長が高くおられるが、ただのでくの棒であらせられるようだな。教育期間中に1度くらいは畳を拝ませてみろ。｣

堂上教官が言った次の瞬間、
ありえない光景が目の前にあった。