笑顔と、花言葉～図書館戦争～ (ページ5)

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5.おしゃべりは程々にページ5

それから５年。

あのときのヒーローに憧れた私は、めでたく図書館に採用され、

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毎日、軍事訓練に励んでいる。

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「笠原っ！！腕下げんなァ！！」

現在、小銃を抱えて走るハイポート中。

堂上教官の怒鳴り声が聞こえる。

4.4kgをもって走るなんて、持久力のない私には地獄…。

郁はいいよなあ。
ゴール後に倒れ込んで腕立て食らってるけど、
それでも男子を混ぜて12位。
女子の中では断トツのトップ。

｢芹沢っ！ペースが落ちてるぞ！もっと上げろ！！｣

うげ、名指しでか。
もう無理だ、限界だ…。

と思ったそのとき、やっとゴールできた。

郁とは２周以上離れてしまっていた。後ろを見ると誰もいない……。

｢はあぁ、また最後かっ…｣

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訓練を終えると着替えて食堂に直行。

私はいつも、ハイポートのあとはエネルギーを吸い取られた抜け殻のようになるらしい。
だから早くお昼を食べないと命に関わる。

と、自分では思っている。

｢あんのクソ教官、絶対あたしを目の敵にしてる！｣

テーブルに付くなり郁が愚痴り出した。
私と、業務部の柴崎が郁の向かいに座る。
柴崎は私と郁と寮の部屋が同じで、大人っぽい美人だ。

｢堂上教官のこと？｣

柴崎が郁に聞き返す。

ちなみに私にはしゃべる元気が残っていないため、食べ終わるまで一言も発しないことも多い。

｢そう！聞いてよ！！ちゃんとゴールしたのに、あたしだけ腕立て100回！あたしだけ！！｣

｢それだけ笠原は期待されてるんじゃないの？｣

｢いや、ありえない！あのチビ性格悪すぎ！｣

｢でも、私は結構タイプよ？｣

割と大きい声で愚痴る郁に、冷静に返す柴崎。
毎度のことで見慣れてきた。
訓練のあとなのに、なんで郁はあんなにしゃべれるんだろう……。

｢ね、Aはどう思う？｣

突然柴崎に問いかけられ、食べるのを止めて顔をあげる。

｢堂上教官、かっこよくない？？｣

｢え、あ、そーね…｣

顔立ちは確かにいい。
でも、
｢ないない、ないわよ。だって性格最悪じゃん？いっつも仏頂面で眉間にシワ寄ってるし。
おまけにちび。せいぜい165とかでしょ？｣

郁が、私の思ったことをそのまま代弁してくれた。
私がしゃべるのをやめたのは、目の前にある人影を確認したからだ。