笑顔と、花言葉～図書館戦争～ (ページ17)

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17.辞令にびっくりページ17

司令室に入ると、待っていたのは、

｢え、教官？｣

稲嶺司令の他に、堂上教官、小牧教官、玄田三監がいた。

｢笠原さん、芹沢さん、いいですか？｣

少しぼーっとしていた私と郁に、司令が苦笑ぎみに声をかける。

｢は、はい、すみませんっ。｣

また手塚がきつい視線を…。
うぅ。

｢それでは。
手塚光一等図書士、笠原郁一等図書士、芹沢A一等図書士を、図書特殊部隊に任命する。
推薦者は、堂上二正、小牧二正。
なお３人には、小牧二正とともに、新設された堂上班に入ってもらいます。

これで間違いないですね、玄田隊長？｣

｢えっ！｣

色々驚くことがありすぎだ。

まず、玄田三監がタスクフォースの隊長だったこと。
それと、タスクフォースに小牧教官と堂上教官が推薦してくれたこと。
最後に、私たちが堂上班に入ること。

｢笠原さん、辞令にご不満でもありましたか？｣

挙動不審な郁に司令が言う。

｢いえっ不満だなんてとんでもございませんっ。｣

｢つまり不満は俺か。｣

不機嫌そうにこぼしたのは堂上教官。

｢不満なのはこっちも同じだ。
教育期間中に俺の指導不足がはっきりわかったからな。みっちり鍛え直してやる。｣

あらあ、郁ちゃんかわいそう。

・

・

タスクフォースに決まった私たちは訓練期間が延長され、奥多摩での集中訓練が行われる。

１ヶ月半か、つらいなあ。

訓練施設には何もないし。
空気はすごくきれいだけどね。

トラックから施設に荷物を運び込んでいると、小牧教官がそっと声をかけてきた。

｢どこか具合とか悪くなってない？｣

｢大丈夫です。空気がきれいでいいですね！｣

｢そっか、それならよかった。訓練きついと思うから、無理しすぎないようにしてね。｣

｢はい。｣

｢それと、ちょっと言いにくいけど。
芹沢さん女の子だから、体調悪くなったら遠慮なく言って。｣

｢あ、ありがとうございます…。｣

教官、優しい。
いつもこんなふうに気にかけてくれてるのかな。
表情には出してないけど、実はかなり嬉しかったりする。

うん、ちょっとがんばれそう。