笑顔と、花言葉～図書館戦争～ (ページ16)

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16.辞令にびっくりページ16

きつかった教育期間が終わり、新入隊員はやっとそれぞれの部署に配属される。
柴崎は業務部に決まったそうだ。

私と郁にも辞令が下る。
同時にそれを見た私たちは、

｢えーーーっ！！｣

同時に叫んだ。

そこに書かれていたのは、私の名前、郁の名前、そして、

“図書特殊部隊に配属を命ずる”

衝撃の言葉だった。

図書特殊部隊────タスクフォースは図書隊の精鋭部隊で、通常新入隊員が選ばれるなんてことはない。

なのに、なのに、
なんでっ！？

・

「女子のタスクフォース入り、あんた達が史上初だってよ。」

さっきと変わらない冷静な口調で柴崎が言う。
きっと相変わらずの情報網で、私たちより先にこのこと聞いてたんだろうな。

「そういえば、男子の新入隊員も１人選ばれてるみたいね。確か、手塚だったかな？」

「その名前知ってる！エリートくんだ！」

手塚というのは多分、いや絶対同期の手塚光のことだ。
座学でも訓練でもずっとトップだったから、名前は同期みんなに広まっている。

手塚と一緒かぁ…
こんな私たちがスーパーエリートと一緒って、いいんだろうか。

・

辞令には、司令室にくるようにと書かれていた。

私と郁が向かう途中、すれ違う人はみんな偉い階級ばかりで緊張する。

司令室に着くと、すでに手塚は扉の前にいた。

「ごめん、待たせちゃった？」

「いや。」

私の問いかけに一言しか返してくれなかった。

それになんか、笠原に向けてきつめの視線を送っているような…。

と、

「手塚一等図書士、入ります。」

手塚は私たちを置いてさっさと部屋に入ってしまった。

「あっ、芹沢一等図書士、入りますっ。」

「笠原一等図書士です！」

慌てて後に続く。

手塚とは初対面だけど、これから仲良くなれる自信がない…。

大丈夫かな…。