図書館3 ページ30
今日も図書館へと向かうことにした旭。知識はあっても困らないのだ。
前に行った時よりも早く目的地へと着いて、さあ今度はどれを読もうと考える。
(今は魔法を重点としたいから、魔法関連の書籍がいいな……)
衣食住もままならない現在は奇跡の力でもないと生きなれない。最長でも一週間で火が起こせるようにならないと、食的な意味でゲームオーバー。もちろんコンテニューは不可です。
さてはて、時間は有限だ。前回来たため、案内板の場所を迷いなく直行し魔法コーナーを探す。
魔法コーナー、と言うのはなかったが魔法学はあった。ニュアンス的にそれだろうと頷き、本棚へと向かう。初心者用の書籍があれば嬉しいんだけど…あるだろうか。
不安に思いながら探して数分後。結果がこちらです。
『初心者必見!かんたん家庭魔法』
『魔法辞典:初級』
『スライムでもわかる魔法基礎〜使用編〜』
…うん、我ながらいいラインナップだ!
え、面白いからだけで選ぶな?そんな訳ないだろ。確かに少し、まあ結構?題名が偏ってはいるけど、中身はしっかりしていた。見かけによらないとはこのことである。
今回はただ読むだけじゃなく、借り拠点でも見れるようにスケブに一部写そうかと思う。実際に魔法を使うのは夜だから、実戦で忘れることも多いだろう。
だとしたら今回は結構の重労働だ。主に指の。魔法のコツと火の魔法重点に生活に役立ちそうなものを時々拾う感じで書いていこう。
方向性を決めた私は、椅子と机に座って黙々と本を写していった。
***
《閉館時間まであと十分です。お残りのお客様は早めにおかえりにーー》
アナウンスの声に筆を止める。窓を見ればオレンジ色の日が差し込んできていた。…随分と集中していたらしい。下を見れば数ページ分に渡って書かれている魔法の数々があった。これぐらいあればあっちにいった時に困らないだろう。
急いで片付けをして、閉館ギリギリで外へ出る。少ない体力のせいで息を切らしながら前を見れば、家へ帰る人々の喧騒がより一層騒がしくて、夕暮れ時を強く意識する。
空を見上げれば、橙色の奥に薄い紫が見えた。今日も公園へ着く頃には星が見えるのだろう。…星といえば、占星術はこの世界にもあるのだろうか?あと、星座とかも同じなのかな?
…まぁ、今はどうでもいいことだ。
私は顔を伏せて、長い長い影を背に借り拠点を目指した。
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津田刑部(プロフ) - ペポさん» わわ、ありがとうございます!まだまだ拙くキャラも全く登場していないですが、頑張って最後まで漕ぎつけようと思います! (2019年2月15日 22時) (レス) id: de60c3f2db (このIDを非表示/違反報告)
ペポ(プロフ) - スッゴク面白いです!無理せず頑張って下さい! (2019年1月3日 17時) (レス) id: 98f13d03ca (このIDを非表示/違反報告)
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