作戦会議して、特訓して5 ページ29
残念だ、と他人事のように痕を見ていたら、くらりと体が揺れる。
「ぅ…だる……魔法ってこんなに疲れるものなの…?」
吐き気と気だるさが同時に襲いかかり、倒れそうな体を適当な遊具(壁)で支えた。
…とりあえず、中の方に戻ろう
よろよろと戻る様は、はたから見たらとても頼りないだろう。
しかし事前に確認したのもあって、人は通りかからない。
…熱が身体中に広がって、吐息が熱い。
気持ち悪さで涙が出てきた。
予想以上の重症に根を上げながらも、なんとか寝泊まりしている場所について楽な体勢をする。
「ふぅ…あー、キツぅー…」
頭は浮遊感でぼーっとするのに体が重い。
完璧に風邪をひいてしまったな、いずれするだろうとは思ったが、予想以上に早い。来て二日でとか、貧弱すぎる。
…あ、貧弱だわ。散歩をしていたとはいえ、ほぼ三年間家に引きこもってたら体も弱くなるな、うん。
「…ひとりしばいしてたらちょっとげんきでた」
呂律があんまり回ってないが、それはそれ。病気は気からとも言うし、こうやって奮い立たせないとやってけないのだ。
そんな悲しい人間である、私ってやつはよぉ…
疲れのあまり謎のテンションになりつつあったが、さすがに体は正直で。(言い方が卑猥?知らん、それは私の管轄外だ)
まぶたの重さに耐えきれず、そのまま寝てしまった。
◆
ピピピ、チチチ
淡い光が差し込んで目が醒める。鳥たちが陽気に歌い、風が優しく木を薙いだ。朝が来たのだ。
「…体調、良くなってる」
こと何気無く立つことが出来て、頬の熱みも消えている。体のだるみもない。
けれど、この違和感はなんなのだろうか?
「…後でアマノに聞いてみるか」
わからないことは仕方がない。そこはこの世界のプロに聞くべきだろう。
今夜の予定を決めた私は、さて、昼はどうするかと考え始めた。
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津田刑部(プロフ) - ペポさん» わわ、ありがとうございます!まだまだ拙くキャラも全く登場していないですが、頑張って最後まで漕ぎつけようと思います! (2019年2月15日 22時) (レス) id: de60c3f2db (このIDを非表示/違反報告)
ペポ(プロフ) - スッゴク面白いです!無理せず頑張って下さい! (2019年1月3日 17時) (レス) id: 98f13d03ca (このIDを非表示/違反報告)
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