作戦会議して、特訓して４ ページ28
帰ってくるころにはすっかり日も落ちていて、街灯だけがその場を照らす。
気温は昼の頃と違って少し肌寒くて、薄い生地の上着をぎゅっと握る。特に体温は変わらないが、気分の問題だ。誰かに言い訳するように1人愚痴った。
誰かだなんて、いないのにね。
街の喧騒が静まったのをみて、私はゆっくりと目を閉じる。出来るだけ、奥へと潜り込むように意識を沈ませる。
『まずは体内にある魔力を確認する所からだ。できるだけ奥にあるそれを見つめろ。その熱を、絶やさずに触れ』
アマノの言葉を思い出し、熱を触るとかよく分からない表現だな、とあの時思ったが、やってみれば分かる気がした。
前いた世界にはなかった何か。それを『触る』ほど深く潜れば、冷たくて、けれど、どこか暖かい。とても懐かしい気持ちになる。
『それが君のエネルギー…魔力だ。魔法はそれを血のように身体中に巡回し、外へと放出する』
まるでHU〇TER×HUN〇ERの念能力みたいだ。まあ、わかりやすくていいけれど。
少しだけそらした意識をすぐさま元に戻し、集中する。
…内から手へ、足へ、頭へ、満遍なく巡らせる。
身体中が暑い。なんだか気分が高揚した時に近い感じがする。
これが魔力を巡回させること。それを擦り込むように、なんどもなんども、魔力を巡回させた。
その作業を何十回を優に超えてやっと、次のステップへと移る。
『放出する際は、君の想像力にかかっている。
力を、現実に。
口の中で呟き、考える。
…水ってどんなのだったか思い出せ。
冷たくて、透明で、ちょっとだけ鉄っぽい味がして、けれど、私の身には無害。
《けれど本当に？》
水はいつでも冷たいわけじゃなく、透明じゃない時だってあるし、時々甘い味がして、実はあんまし好きじゃない。
そう思った瞬間。
パァ…ン
形作り始めたナニカが、弾けた。
「…あー、これは失敗だなぁ」
目を開いてその場を見れば、魔力痕という気配が漂っていた。
アマノ曰く、魔法を使用した痕と言葉のまんまな現象だ。相当使い方が上手い人なら痕も残さず使役するらしいけれど、まあ初心者の私には無理な話である。
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津田刑部(プロフ) - ペポさん» わわ、ありがとうございます！まだまだ拙くキャラも全く登場していないですが、頑張って最後まで漕ぎつけようと思います！ (2019年2月15日 22時) (
レス) id: de60c3f2db (このIDを非表示/違反報告)
ペポ(プロフ) - スッゴク面白いです！無理せず頑張って下さい！ (2019年1月3日 17時) (レス) id: 98f13d03ca (このIDを非表示/違反報告)
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