作戦会議して、特訓して2 ページ22
「えぇ、マジか。湖だからつまり水、かな」
真っ先に浮かんだのは、やはり足元の水だろう。これでしょ?というようにチャプチャプと揺らす。
「うん、水もなんだけど君の場合もう一つあるみたいだ。…なんだと思う?」
ものを企むような悪い笑みでそう聞いてくるアマノ。それにちょっとイラッとしながら考える。
ゆらゆら、動くたびに波紋が生まれる水面をじっと見つめる。ゆらゆら、ゆらゆら
水下には何も映らず、ただ床のようなものがある。湖以外の周りは白い空間で、特に何も無い。
…………うん、分からん!
「あー、分かんないみたいだね。答えいる?」
「いる」
多分、一生気付かないと思うからな!とやけくそ気味に聞くと、だろうねと苦笑いをされる
「君のもう一つの属性、それは『光』。
言われてみれば、と気付く。明かりが無いのに周りが見え、なのにここには影がない。なるほど確かに光だな
…けれど、これは私だと気付けない。だって自分が光属性なんて考えられないし、どちらと言えば闇だろう闇。
そんな私の気持ちに気付いたのか、少し遠くを見るようにアマノは言う。
「ははは、何でなのかわかんないみたいだね。いずれ納得する日が来ればいい。来なくても、なんとなく周りが分かればいいし」
…物言いが気に入らないが、意味もその意図も察することはできる。伊達に世界ではないなとその存在の重さに目を細めた。
「…ああ、そうだ。君、僕に聞きたかった事があるんじゃなかったっけ?」
「そうそう。ちょっとこれなんだけど、食べられる?」
そう言いながら、手元に採ってきた木ノ実や山菜を思い浮かべる。すると、ぽんっとそれらが現れた。
想像していた通り、ここは夢だからここにあると思えばあるようになる。という事は逆も叱りだろう。
「……うん、食べられるね。似ているものは一応あるけど、注意していれば間違えるとは思えないものだし、生えてくる時期も違うからいいと思うよ」
よっしゃ!
思いっきりガッツポーズをして喜ぶ。食料があるなら生きられる…!
なんだか色々としなきゃいけない事があるけれど、やっぱり食べ物があるという安心感には比べられないよなぁ
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津田刑部(プロフ) - ペポさん» わわ、ありがとうございます!まだまだ拙くキャラも全く登場していないですが、頑張って最後まで漕ぎつけようと思います! (2019年2月15日 22時) (レス) id: de60c3f2db (このIDを非表示/違反報告)
ペポ(プロフ) - スッゴク面白いです!無理せず頑張って下さい! (2019年1月3日 17時) (レス) id: 98f13d03ca (このIDを非表示/違反報告)
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