場地のヨメ２

スキ×スキ 76 ページ27

それから数ヶ月。
私は無事に獣医学部に合格した。
大学受験期はさすがの私も勉強に専念した。
圭介とも距離を置いていたわけではないけどあまり会ってなかった。



「なぁ、A。春から一人暮らしするんだろ？」


『そうだよ、実家からだとちょっと遠いからね』



「俺も一緒に住む」



『え？まじで？』







受験期にあまり会えなかったのが寂しかったらしい。大学生と高校生だと環境が変わってもっと会えなくなるかもしれないから一緒に住むということらしい。




『じゃあお母さんたちに話してみるね。』





まあ、きっとOKしてくれると思うけど




「なあ」



『ん？』



「ご無沙汰だからよォ、たくさん可愛がらせろ」



『えっ』







私が言い返す前に圭介はワイシャツのボタンに手をかけはじめた。





「久しぶりにあの猫のやつ着ろよ
たくさん可愛がってやる」





圭介が言う猫のやつとは、
前三ツ谷に頼んだ服のこと。
お気に入りらしく、事ある毎に着せてくる





きっと三ツ谷も喜んでるよ…

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