場地さんには妹がいます。３

１３０話 ページ34

三ツ谷side



帰り道、Aはずっと静かだった









隆「ドライブ行っていい？」







『ん、いいよ』









こうやってAを後ろに乗せることは滅多にない。
大体場地かマイキーばっかだし、最近は千冬が多いから
今だけはAを独り占めできる









『隆はさ、何も言わなくても私の考えてることわかるよね』







隆「おー？」








『みんなの前ではあーやって強がってるけどさ、やっぱり現実を受け止めるには一人でいるのがきつくてさ。
連れ出してくれてありがとう』









やっぱり色んなことがあって寂しかったのか分からねえけど、さっきよりも掴まってる手に力が入った









隆「いつでも俺を頼れよ。マイキーとかに言えないこと、俺になら言いやすいだろ」








『うん、隆にならなんでも話せる』








まだ中学一年生なのに、家族を亡くして、
人一倍正義感が強いからなんでも首突っ込むし、
自分のことより他人を優先して。







Aは強い。だけどやっぱり普通の女の子だ。
寂しいときもあるよな、そりゃ









1人で抱え込まないでほしい。
大切なAが1人で傷ついて、
1人で泣かないで欲しい






隆「好きだ」








『え？？』








隆「…！？」









やばい、口に出してた









『どういうこと？』

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