私と君の奇跡の１年間～最初で最後の夏休み～【名前変換オリジナル】 (ページ1)

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３１話：お泊まり会ページ1

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「ずっと休みなら、ここにお泊まりしてよ！！」

目の前にいる女の子、美花ちゃんのこの言葉に絶賛困り中です
ふつうに考えてそれは無理な話、なのだけれどこんなキラキラな笑顔の彼女にそんなこと言えない

「あ、あのね美花ちゃん」

「あら、いいんじゃない？」

声がした方を向くと、そこにはいつもの看護士さんが笑顔で立っていた

今あの人いいって言ったような気がするんだけど気のせいだろうか
すると彼女は美花ちゃんに近付き頭をなでる

それから私と優斗くんのことを見て口を開いた

「夏休みといえばお泊まり会でしょ、

許可は私がなんとかしてとってあげるから、ね？」

「えっ、

なんとかできる問題なんですか……？」

私がそう聞き返すと看護士さんは任せなさいと自信ありげに言った

まぁ許可が下りるんなら……じゃない、問題は他にもある
ここに泊まるということは優斗くんと一緒にいる時間も増える、そういうことだ

いや、嬉しいことではあると思うのだが一日中となるとさすがに恥ずかしい

「許可が下りるとか、そういう問題なのか？」

「えーっ、

お兄ちゃん嬉しくないの？お姉ちゃんとずっと一緒にいられるんだよ？」

「いや、それは嬉しくないことはないけどさ」

「ならいいじゃん！」

「ま、まぁ……」

ついには優斗くんまで説得されてしまった
結構強引だった気もするが

そして納得していないのは私１人となった
全員の視線が私に集まる、こうなるともう嫌だなんて言えない

「う、うん……許可下りるなら」

言ってしまった、

もう後には戻れない
私の返答を聞くと美花ちゃんは嬉しそうに看護士さんといつにするかを話し合い始めた

「なんか大変なことになったな」

「そだね……」

「嫌だったら言えよ？無理することないぞ」

優斗くんが心配そうにそう言ってくれる
嫌なわけじゃないしむしろ嬉しいのだがほんとにいいのだろうかという思いと恥ずかしさで一杯だった

それでも優斗くんに心配させてはいけないと思い、頑張って笑顔を作り首を横に振る

「大丈夫だよ、

美花ちゃんや優斗くんと長くいられるのは嬉しいし……」

「お、俺もAと一緒にいられるのは、

その、嬉しい」

「えっと……あ、ありがとう」

なんだか照れくさくなって、

意味も分からずお礼を言ってしまった

それからはどちらも口を閉ざしてしまい、沈黙が続いたのだった

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