第四話 ページ4
【剣心side】
剣「何？」
男は律儀に木刀を元の場所に戻すと、荷物をまとめ始めた。
剣「おい、どういうつもりだ。」
テキパキと支度をしながら、男はこちらをちらりとも見ぬまま答える。
「勝負はもういいさ。勝手な理由であんたらを振り回して悪かった。すまない。」
バサッと外套を羽織り、腰に刀を差し直すと、思い出したかのように薫殿に向き合った。
「そうだ、薫さんだっけ、ご協力ありがとう」
薫「えっ？あ、あぁ、どういたしまして。」
「「「！？」」」
ずっと首元に突きつけていた小刀を男に渡し、当の本人はケロッとしている。
どういうことでごさるか、と口を開こうとしたが、男の方が一瞬早かった。
「あんたとどうしても勝負がしたくてね、理由を話したら協力してくれたんだよ。もとより催眠術とかの類はこの人に掛けちゃいないし、そんなもの使えない。」
なんだよそれ…と安堵のため息を吐いた弥彦に、無駄な労力を使わせてしまった、と男は謝った。
薫殿から返された小刀もきっちり鞘にしまう。
よく見るとそれは、小さな刃こぼれがたくさんある、人を斬るどころか野菜もに傷もつけれぬ程のボロ小刀だった。
つまり、最初から全て演技で、もし仮に刃が薫殿に当たっても、かすり傷一つつけないようにしていたということ。
本当に傷つける気など毛頭なかったのか、と驚いている間に、男は拙者達に向かい合って頭を下げていた。
「騒いでしまってすまない、この辺でお暇するよ。本当に悪かった。」
何か事情を知っているのであろう薫殿が声を掛けようと口を開くが、何も言わずに下を向いた。
しかし、正面から出ていこうとする男に、今までずっと黙っていた左之が蹴りかかった。
左「すまねぇと思ってんなら自己紹介ぐらいしてから帰んな！」
案の定避けられた左之の蹴りだが、左之の狙いは元より、編笠の方だったようで。
パサ、と編笠の落ちた音がしたと同時に、男の顔が顕になった。
その顔は、忘れもしない、
剣「A…？」
共に飛天御剣流を学び、手段こそ違えど、幕末の世に罪のない人々を救うため、共に暗躍し沢山の人を斬った、妹のような存在のAだった。
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夜紅＠甘味(プロフ) - ええ！？終わっちゃてる！？もしよろしかったら、続き書いて頂けるとめっちゃ喜びます... (2021年5月22日 18時) (
レス) id: 357a418903 (このIDを非表示/違反報告)
名無し93720号(プロフ) - ２０２１年も読んでいます！更新待ってます！！ (2021年4月22日 18時) (レス) id: 8dfcdb0128 (このIDを非表示/違反報告)
イチ - 面白かったです早く更新してください (2019年7月30日 12時) (レス) id: daad10c58f (このIDを非表示/違反報告)
コルン。(プロフ) - ゆうみんさん» なにも考えてませんすみません！！笑笑 いま更新しました、サボっててすみません！！ (2018年9月19日 17時) (レス) id: 9105260991 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - けんしんて彼女ちゃんが好きなのかなあ、これから楽しみだは次回はどうなる (2018年8月17日 21時) (レス) id: 4265bc9f8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コルン。 | 作者ホームページ：http://Written by korn.nosv.org
作成日時：2018年4月13日 1時
