贈り物 ページ20
しばらくすると……
ｶﾞﾁｬ
ﾏﾈ「すず〜、来たけど〜？」
『あ、運んじゃってください！』
そう言うと運ばれてくる2つの桐の箱
渡辺「何あれ……」
『どいて』
渡辺「あ、はい……」
しょっぴーに退いてもらって、並べられた桐の箱の前へ
私に続いてメンバーもワラワラと周りに集まった
佐久間「これはなんでやんすか？」
『ふふっ(笑)』
右にある桐の箱の蓋を開けると顔を出したのが
着物を入れる"たとう紙"と呼ばれるもの
そのたとう紙の上には扇子と手紙が入っていた
『日本舞踊の家元が贈ってくれてん。ほら、もうちょいで18になるやろ？』
『大人になるお祝いで』
私が所属する日本舞踊の流派は18歳から大人とみなし、
大人になったお祝いで新しく誂えた着物が贈られる
それを着て京都・南座でお披露目されるんよ
その着物を家元はわざわざ東京まで送ってくださった
向井「その手紙は？」
『こ、れ、は〜……私の日本舞踊の芸名が書かれとる』
『子供やったからずっと付けてもらえんかったんよ』
14歳で名取になり、16歳には師範の資格を得られた私
ただ子供やったせいで芸名は貰えず、
そもそも子供が師範資格を取ること自体、日本舞踊の世界では珍しいらしいねん
だから大人になるこのタイミングで芸名を貰えることになった
『滝沢くん』
滝沢「ん？」
『これは滝沢くんが読んでくれませんか？』
『ほんまは家元直々に芸名を発表してくださるんやけど、このご時世、そんなことできませんから……』
『だから私を見つけてくださった滝沢くんから発表していただきたいんです』
滝沢「…分かった」
滝沢くんに手紙を渡し、たとう紙に手をかけた
中を開くと、
「「「わぁ………！！」」」
紺の生地に淡い水色の蝶が描かれた着物
帯は金色で羽を広げた鶴が描かれとる
扇子には家紋と胡蝶蘭の絵が
家元が誂えてくださった着物を眺めとると
だんだん視界が歪んでくる
『……あー、涙出てきた』
『嬉しいなぁ…』
岩本「……袖、通さねぇの？」
照にぃの一言で一気に私に視線が集中した
え、今着るんですか？
深澤「どうせなら着た状態で発表してもらいなよ」
『でも帯は1人じゃ結べんよ？』
ラウール「羽織るだけでも、ね？」
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s ? ? ?(プロフ) - このお話のすずちゃんとふっかさんの絡みが大好きなんです、お話の投稿楽しみにしてますのでこれからも頑張ってください！ (2020年9月24日 3時) (
レス) id: 471faed61b (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスと熱中症に気をつけてくださいね (2020年9月20日 18時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ruri | 作成日時：2020年9月19日 16時
