くまさん(病)@3

@105(安) ページ5

大倉は呼吸が治ってからは、本当、隙を見せないような、アイドルの大倉忠義って感じで作り笑いをくっつけて、リハがしたいなんて。それもまたアイドルらしい事を言っていた。

頼ってほしいだけやで。僕たち。みんな。

きっと今説得した所で大倉は揺るがないし、頼ってくれる事はないだろうから、とにかく注意して見てな。亮ちゃんと村上くんにはとりあえず報告しとこ。
そう思って携帯を開くといつからか充電が切れていたようで、充電機も持っていないし、、、しゃない、コンビニ行こ。

「大倉〜、充電切れとるみたいやねん。コンビニ行くけどなんか買うてこよか？何がいい？」

ん〜と口をへの字にして上を向く大倉。

「コーヒー、、飲みたいなぁ。お願いしてもええ？」
「おけ、無糖やっけ。」
「おん、無糖でええよ、ありがとう。」

ヘラっと笑った大倉の笑顔は本物で、些細な事でいいから少しでも大倉の笑顔が増えますように。
そう願うしかなくて、何もしてやれない自分が心底憎かった。

「やす？大丈夫？、、っ、、体調、悪いん？」

気づかぬうちに表情に出てたようで、大倉が心配そうに少しまだ苦しそうに起き上がる。

「あ、ごめん、全然、体調悪くないで。大倉はゆっくり寝とき。起き上がらんでええねん。寝て寝て。」

そう言って無理矢理寝かせて布団をかけ直した。

「、、体調、崩さんといてな。俺、ほんまに大丈夫やから。何かあったらすぐ頼るから。俺のために無理せんといて？」

大倉は、本当に本当に苦しそうにお願いをしてくる。村上くんを気にしてるのか。しぶやんに言われた事を気にしてるのか。喧嘩か。それら全て、自分が悪いと思っているのか。大倉が悪いことなんて１つもないのに。

「わかってる。ほんなら、行ってくる〜」
大倉が心配しないように、ニコッと笑顔で笑って帽子とメガネつけて。黒マスクもして。少し小走りでコンビニに向かった。

なんとなく、大倉のそばに少しでもいたくて。大倉を出来るだけ1人にしたくなくて。

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