くまさん(病)@3

@132(錦) ページ33

勝手に出しゃばって大倉の気持ちを代弁してから、もう2週間は経った様な感覚になっていた。が、実際はたった2日。

しかも、今日全員で収録できるんかな、、最後に村上くんからあった大倉の体調報告は40度超えの熱。
村上くんが言うには、ストレスで突発的に出たものだと思う。と。そして、病院には行かせずに明日の朝まで様子を見るという報告だった。
たしかに、大倉はどうしても収録に行きたがるだろうし、今、仕事を休ませた所で俺には価値がないんだとでも言わんばかりに落ち込みはじめる。それを考えたらきっと俺でもその判断をしただろう。

「ちっ、、何してんねん、、」

でも、今は朝10時、今日の収録は13時集合。そろそろ起きて準備をしてないとおかしい時間にまだ報告がない。ましてや、大倉のあの最後の体調報告から連絡がなければ、病院に運ばれてるかもしれないというネガティブな想像もしてしまうのは当たり前や。

絶対他のメンバーも気になってるやろ。なんで誰も聞かんのや、、もう俺から連絡いれよかな。と思い村上信五と書かれた電話マークに指を落とそうとした瞬間ポロンと音が鳴り、上にバーナーが降りてきた。

【報告おそなった、ごめん。】
不安な気持ちと淡白な文面なせいで焦りが強くなる。

急いでメッセージを押すと
【報告おそなった、ごめん。大倉の熱はギリギリ微熱くらいまで下がって、37.3です。本人はピンピンしてて、収録は大人しめに参加する約束です。】

「よかったぁ、、」思わず声が出ると同時に下に写真と追加のメッセージ。

写真には綺麗に盛り付けられたサラダと湯気が出たコーンスープ、食べかけのこんがり焼かれたパンの上にいい感じの焼き加減の目玉焼き、横にはウィンナーが3本。そして見切れた所に丸のであろう肘。
【ちなみに、大倉シェフの朝食でふ。】

なんやねん、ちょっと腹立つな。打ち間違えとるし。

【俺の朝食。】とコンビニによくあるランチパックとブラックコーヒーの写真を安が送ってきて、質素やなと丸に笑われてた。

少し前までイライラしていた気持ちがスッとどこかに飛んでいく様な不思議な感覚に一人で、ふふっと笑って、俺も少し贅沢に朝食とろかなぁ〜とキッチンに向かった。

今、微熱ってだけで平熱ではないのに、それでもメンバー全員で支えて収録したらええんや。ときっとみんな思って朝食をとっていると思う。

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