@127(丸) ページ28
「うん、ありがとう。」と言いながらすぐに眠りについた大倉はやはり、少し苦しそうに息をする。
「大倉、しんどそうか?」
村上くんはミラー越しに様子を伺うが、さすがに呼吸までは聞こえない。
「うん、、しんどそうやな、、ちょっと息も苦しそうやし、、大丈夫なんかな、、」
「大丈夫なわけないねん。でもこいつ頑固やから、俺らでちゃんと見といたろ。決めたやろ?」
ふふと笑う村上くんは今まで見てきた余裕がすこーしだけ見えてかっこよかった。
少しだけ大倉の顔も穏やかになっていくのがわかり2人で安心する。
それからしばらく関係ない話をしていると大倉の家に着いた。
「大倉〜大倉はん〜起きて〜着いたで〜」
肩を少し揺すると、はっと目を大きく開けて、
肩をビクッと大袈裟に動かす大倉。
その顔には冷や汗と、動揺を隠しきれない様な、怖いものをみた様な表情だった。
「なんや、怖い夢でもみたんか。大丈夫か、、、?歩けるか?」
荷物を持ちながら大倉側の扉に回り、ドアをあける村上くん。
「はぁ、は、ひゅっ、、、、ぁ、はぁ、は、、、は、は、」
目をキョロキョロ動かしたかと思うとそのまま苦しそうに息をする大倉。手は震えて力の入らない感じでどうにか胸を抑える。
「大倉!だないした!」持っていた荷物をその場に投げ捨て、開けたドアから倒れてくる大倉を支える村上くん。
「丸!すまん荷物の中から紙袋と水とタオルとってくれ!」
指示されるままに動き、準備する頃には後部座席に寝かされた苦しそうな大倉。
背中をさすり、耳元で名前を呼ぶ村上くんは僕よりは慣れているはずなのにそれでも不安で仕方ないとゆう顔をしていた。
しばらく背中をさすったり声をかけ続けたが全く治る気配がなく、嫌がる大倉の口に紙袋を当てた。
「は、は、!ん、は、はぁ、ん、、は、」
一生懸命呼吸をしようとする大倉の口に紙袋が容赦なくくっついて行く。
第三者からみても邪魔だし、余計呼吸止まるんじゃないかって不安になるのに、当の本人が何も感じないわけがない。
震える手でどうにかどかそうとする大倉。根気強く紙袋を当て続けるとどうにか普通の呼吸に戻った。
まだ少し荒い息でごめん、、と呟き、今にも意識がなくなりそうな大倉。手はまだ震えて、恐らく立てないだろう。
「大倉、ええから少し寝ろ。部屋には運んだるから。おやすみ。」
ブランケットをかけるとまたごめんと呟いて体から力が抜けた。
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こう(プロフ) - 久々の更新ありがとうございました!作者様の無理のないように更新してください! (2020年8月17日 18時) (レス) id: 2754d8d796 (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - こうさん» コメント当時、お返事が出来ずに申し訳ありません。今もこの小説を見てくださっているかは分かりませんが、楽しみにしていましたという言葉が嬉しくてまだ続けさせていただいています。本当にありがとうございます。 (2020年8月15日 7時) (レス) id: 52798afd06 (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - みどりむしさん» 体調の心配までしていただいたのに、当時返事が出来ずに申し訳ありません。この長すぎる小説を今も見てくださっているかは不明ですが、このコメントのお陰で続けて僭越ながら続けさせていただいています。本当にありがとうございます。 (2020年8月15日 7時) (レス) id: 52798afd06 (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - 和貴さん» コメントありがとうございます!このまま更新していいという言葉が多かったのでこのまま続けさせていただきます!無理のない範囲で更新頻度も少しではありますが上げていく予定です。今後もよろしくお願いします。和貴様もコロナにはお気をつけ下さい。 (2020年8月15日 7時) (レス) id: 52798afd06 (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - ジェイさん» コメントありがとうございます!ご心配ありがとうございます!今までより元気な日も増えましたので、更新頻度も少しではありますが上げていく予定です!このまま更新していいという言葉が多かったので、このまま更新させていただきます!今後もよろしくお願いします! (2020年8月15日 7時) (レス) id: 52798afd06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おかか | 作成日時:2018年9月20日 10時