くまさん(病)@3

@125(丸) ページ26

昨日亮くんがカッコよく大倉の気持ちを代弁したあの時、実はもう今日も明日も休みなのはわかっていた。

ただなんとなく、僕が踏み入って良いところなのか。
と、考えてしまった。わかってるそんなこと。メンバーで、支えると決めたんだから、そんなの当たり前だと。

「なぁ、まる？？今日本当は休みたかったんじゃない？？村上くんおるし、大丈夫やで？」

ニコッと顔をのぞき込む大倉。その顔ではっ、とした。慌てて顔を上げると、村上くんがほんの少し不満げな顔をして俺をみている。

「ほんまやで、俺がおるの知ってて来たのに、休みたいのか何なのかよぉわからん顔でひょこひょこついてこられてもなやな。」

大倉が「まぁまぁ」と少し困った顔で笑う。

「あ、ちゃうねん、ごめんな、、、休みたいとは思ってないんやけど、、「じゃぁ！何やねん！うじうじ、うじうじ！」

少し切れ気味に村上くんが近寄るが大倉が密かに動き盾になってくれた。が、余計申し訳なくて俯いてしまう。

「、、まる？？大丈夫やで？俺、ほんまに何ともないねん。まるが責任感じるような事もないし、なんかあったらちゃんとメンバー全員に報告する。、、だから、、、」

優しい話し声はそこで終わり、疑問に思い顔を上げると、少し、ほんの少し顔を歪めた大倉は、ふぅ、と少し息を吐いて、ニコッと笑い「心配せんで、？」と小首を傾げた。

明らかに、空気を読み、心配かけまいと無理をする大倉の姿なのに、普段から見ていたような、いつもの大倉が戻って来たような気がして、ぞっとした。

「大倉、、熱、測ろう。」

なんか、急がないといけない気がして、まだ車にも着かないが大倉の荷物から体温計を取って大倉に渡す。

「はぁ！！？なんで今やねん、お前！車に乗ってからがええやろ！大倉の話聞いとったか！！？」

村上くんが少しイライラしたような声を聞いて大倉は
眉間にシワを寄せた。
村上くんに背中を向けた状態だから、気づかないのは仕方ない。大倉が躊躇ってる隙に村上くんに、しーっ、と人差し指を立てる。
一瞬、なっ！？と声を出した後、はっとした顔で口を手で塞いだ。

「大倉、ここが嫌なら車でもええけど、、どする？」

しばらくの間があり、小さく「車で。」と歩き始めた。

3人で静かに車に向かい歩き出した。

大倉以外のグループLINEに、『大倉はもしかしたら、ピリピリした空気、怒った様な声に敏感かもしれない。』とだけとりあえず報告を入れると、村上くんの目がより大きくなった。

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