くまさん(病)@3

@124(村) ページ25

「大倉の現状も、気持ちも、全て僕が責任持って見ます。」

昨日の亮の言葉がずっと頭を回る。
「かっこよかったなぁ、、」
「娘さんを僕にください。」とか、ヒーローがヒロインを守ると宣言したときのような、表現の仕方は分からないがそんな感じの、しっかり意思のある責任のある言葉だった。

「俺も、、」

しっかりせな。心の中で強く強く思った。
迷惑かけたし、大倉がまた心を閉ざした原因を作ったのは誰でもない俺だ。
無理せず、周りを見て、、、安がいつか
「大倉ならうまく全員見れとったかもね。」と言っていたのをふと思い出した。
ほんまにあいつはできすぎた末っ子や、、
今までどんな気持ちでどんな思いで仕事してたんやろ、体調の悪い日も、嫌な事言われた日もケラケラ笑って、メンバーの顔色、空気、スタッフ、現場、ファン、、、凄いな、、

あの日はどうだったんだろう。あの日、本当は体調悪かったんじゃないか、この日は。

今思い返せば大倉の不思議な行動も、怪しい行動もいくらでも思い出せるのに、年下は年下でやってるか。なんて、なんで放置してしまったんだろう。同じグループなのに、年上年下なんて関係ないのに。

運転しながら永遠そんな事を考えているといつの間にか病院に着いた。

大倉の病室に向かうと中から楽しそうな話し声がきこえる。

「ははっ！！、、っほんまっやめてや！笑ったらまだちょっとだめやねん！」
「ああっ、ごめんっ、いや、大倉がわろてるのが好きやねん、つい、、、」

「、、まる？？」
そのままノックもせずに扉を開ける。ドアの外まで聞こえた声の主は丸。楽しそうにふふっと笑う大倉と、心配そうなタレ眉でそれでも安心したような楽しそうな表情のまる。

「あぁ〜！村上くん！やっときたやん〜大倉の家僕も今日、明日ついて行くからよろしく〜」
「やって！まる今日と明日休みやったんやって〜！昨日で言うてくれたらよかったのになぁ！したら村上くん今日ゆっくり休めたのに〜！」

丸は、はっとした顔で俺を見て、せやった！はっ！ほんま、どないしよ！

とパタパタし始めたが、大倉も退院の準備終わってるし正直、1人より2人がいい。よかったと思いながら
「なんでもええねん！はよ！帰るで！」と大倉の荷物を持った。

「あっ！村上くん！荷物くらい持てるって！病人扱いせんとってよ〜」

後ろから焦った大倉の声とははっと笑うまるの声が廊下に響いた。

「しー！廊下では静かに！」看護師さんに怒られ、静かに車に急いだ。

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