くまさん(病)@3

@110(大) ページ11

マネージャーの車から降りて、のんびり楽屋に向かう。

「大倉！」

後ろからなんだか久しぶりな声。

「亮ちゃん〜！なんか久しぶりやなぁ！」
「ほんまや！病院ぶり？ゆうてもあん時、大倉寝とったもんなぁ！」

ははっと笑って、きっと俺に気を使って、笑い話にしてくれてる。

「せやねん〜、なんか疲れてたみたいw心配かけてごめんなぁ〜、もう全然なんともないから！心配せんで！なんかあったら言うし！」

亮ちゃんが気を使ってるのに、俺が弱音を吐くのは違う気がして、とゆうか、そもそも、もう、辛くもなんともない。メンバーに心配してもらう程のことじゃない。初めからそうだったのに。

「亮ちゃん、ごめんな、たくさん心配かけて！ほんまに！もう、なんともないから！」

亮ちゃんはなんだか不満げに眉間に皺を寄せて口だけ笑って「そっか、」と呟いた。

しばらく歩いて唐突に、少し困った笑顔で俺の前に立って

「でも！なんかあったら言うてや！俺たちみーーんな大倉の味方やねんから！！たくさん心配かけてや！」
と、笑った。

「ははっ！なんやねんそれ！青春やなぁ！」と笑ってしまったが、正直めちゃくちゃ嬉しくて、泣き出しそうだった。

のんびり歩いていたのに、亮ちゃんと話しながらだとあっという間に楽屋についた。

少し緊張してドアの前で止まると、亮ちゃんが小さな声で、大丈夫やで。と軽く肩を叩く。

ふぅ。と少し息を吐いて、ドアを開けると残りのメンバーは全員揃っていた。

「おう、おはよう！」
「おぉ〜亮ちゃんと大倉一緒来たん〜ええなぁ〜」

と、各々挨拶をしてくれる中、よこちょと、すばるくんは少し様子が違ってて、2人で何やら目配せをしている。

かと思えば、すくっと立って俺の前まで来た。

「あの、大倉、あん時はほんまにすまんかった。俺も横も、ただヒナが心配だったのと、秘密にされてたのが悔しくて、とゆうか、寂しくて、、と、いうか、、」

ここまで喋って、小さな声で頭をかきながら、「なんて言うたらええんやろなぁ、」とか、一生懸命なのが嬉しくて、でも、すばるくんがあの日言っていた事は、事実なんじゃないか。って気持ちの方がもう俺の中では大きくて、

「とにかく！ほんまに、す「ええよ！俺こそごめん。村上くんとかに甘えっぱなしで、ほんまに情けない。すばるくんが言うとったのは事実やで。実際、俺今もの凄い元気やし！ほんまにごめんなさい！」

全員に向かって頭をさげた。今までの迷惑を取り消したくて。

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