くまさん(病)@3

@103(大) ページ3

心配で心配でナースコールを押したがっている安に、ありがとう、でも大丈夫だ。と無理矢理止める俺。
しばらくそのやりとりが続いたが、結局安が折れてくれた。
どうしても、大丈夫だと、見せたかった俺は無理矢理息を整える。

「なんや、いつもやったら大倉俺に甘いのに。ほんまに大丈夫なん？まだ苦しそうやん。」

たしかに、まだ息は整わない。ただむせただけならいいがどうやらそんな簡単なものではなくて、むせた後に少し息を止めたのが間違いだったようだ。

「、っ、は、だ、いじょ、ぶ、、っ、、はぁ、」

どうにかこうにか唾を飲んだり息を止めたりで呼吸を整えようとしても全く落ち着かない。

「むり。やぱ呼ぶな。ぜんっぜん大丈夫やない。大倉の大丈夫は信用せん。」

もう笑うしかない。息は苦しいが少し口元だけ微笑むと「笑い事やないで、今大倉呼吸器つけとるの忘れるんやないで。」と少し怒られた。

しばらくすると看護師さんが来て、呼吸法を一緒に行う。点滴は栄養剤が少し残っていたが、安定剤に変えられた。

「不安になったりするような事は今は避けて下さいね！！あと！大倉さんが大丈夫って言ってもいつもと違う時はナースコール押す事！！」

看護師さんに少し怒られ落ち込む安と俺。小さく「はい」と返事をするとまたニコニコ笑顔に戻って出て行った。

「安〜？ごめんなさい。」
「ええよ、きっと俺がここで寝てるの心配してくれたんやろうし、ありがとう。」

安はいつもの優しい笑顔。
でも、今は、それが辛い。きっと迷惑なのに、またメンバーに迷惑かけてるのに、笑って我慢して、俺のせいで壊れるのが一番嫌だ。

「あんな、安、ありがとう。でも、俺もう大丈夫やで。」

いつもの、少し前までのアイドル大倉忠義で笑う。

「嘘やん。嘘の笑顔しとる。わかるで、俺も亮も村上くんも、みんな。無理せんで？頼って？」

何故か誰よりも辛そうな顔でそう言う安を見ると、本当に泣きそうになる。ありがとうって頼りたくなる。でも、村上くんは倒れた。みんな忙しいねん。俺も別に今まで仕事できへんかったわけじゃない。大丈夫。できる。今までできたんだから。

「大倉！！考えんでええねん！そのまま、頼ってくれたら、みんな応えるから。」
「ふふ、安、ありがと。でも、今は辛くない。大丈夫。何にも我慢してへんから。、、しいて言えば、早くリハしたいなぁ。」

安は眉間に皺を寄せ、「ちゃんと、キツなったら言うてや、」と寂しそうな顔で言った。

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