@27(錦) ページ27
大倉は何事もなかったかのようにキッチンに消えてしまった。
メンバーに言わんでって言ってたけど、、え?言わんでもバレるの時間の問題やん。え、どしよ。急に倒れたりした方がみんなびっくりせえへん?
でも、言わんでって…いつか言うんやろか、
そんなことをぐるぐる考えていると
「亮ちゃ〜ん起きとる?朝ごはんできたで。簡単やけど、ごめんな〜」
ひょこっとドアを開けて前髪を上げた大倉の姿。
「亮ちゃん?なんか大丈夫?」
「……お前に言われたないわ…」
ちょっと冷たい声でそうゆうと、あはは〜せやねwと少し困ったような顔で笑う大倉。
ちょっとチクっときて、大倉をすり抜けリビングに行く。美味しそうなスクランブルエッグとトーストとサラダ、コーンスープ。
更に良心か痛んだ。大倉がメンバーの事思って自分なりに考えた結果なんや。わかってるけど…
「亮ちゃん?あ、なんか嫌いなもんあった?全然残しても大丈夫やで。ただ、昨日迷惑かけたから…お詫びとゆうか、お礼とゆうか。ごめんな?」
あんな大きな図体で上目使いで眺めてくるこの目の前のイケメン。ちゃうよ。もっと自分を大切にしてほしいだけやねん。
「大倉、分かった。メンバーに無理やり言えとは言わへんから、俺にだけは、何かあったらすぐに言ってほしい。なにができるかわからんけど、1人で苦しむんはやめてほしい。約束できる?」
「ははっ!苦しむってww全然平気やのにwありがと、亮ちゃん。分かった、なんかあったらちゃんと言う。迷惑かけてごめんな?」
こいつは。迷惑やって誰もゆうてへんのに。勝手に。もう。伝わらへん。ただ、1人でしんどくなってほしくないだけやのに。
恥ずかしい事は自分から言えなくて、なんだかモヤモヤしたまんまトーストを齧った。
冷める前に食べてな〜とほんまになにもなかったようにヘラヘラする大倉を見て、少し安心してしまう自分がいた。絶対大丈夫なはずないのに。
昨日つけた絆創膏は無くなってて、ぱっくり切れた傷口があらわになってた。とるの早ない?この人どこまで自分に無頓着なん、もっと自分を見ろよ。
イライラしてきて口にかき込むようにご飯を食べてしまっていた。
そんな腹減ってたん?と笑ってくる大倉を見ると余計に腹が立ってくる。
うっさい。とだけ呟いて黙ってご飯を食べた。
ほんまは美味しいって言ったげたいのに。もう。俺も大倉もバカや。
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さき(プロフ) - 面白いです。続き楽しみにしてます! (2017年6月27日 20時) (レス) id: 9de58ac01e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おかか | 作成日時:2017年6月26日 7時