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経緯 にじゅうご ページ26

【福沢諭吉side】

乱歩に連れられ行った先は宮沢賢治の両親が居る家だと聞いていた。だが俺はお前達が居るなんて聞いてないぞ……。


「どうも!宮沢賢治の母です!」

「その夫でーす!」


見知った顔が居て思わず俺は蟀谷(こめかみ)を押さえる。乱歩に頼み、賢治と一緒に外に出て貰った。すると二人の顔つきが変わる。


「いつぶり?諭吉。」

「………出来ればもう会いたくなかった。」

「がっはッは!其は酷いだろ!諭吉!」


俺の師匠の一番弟子と二番弟子、其が賢治の母と父だった。悪友であり、俺のことを知り尽くしている人物。そいつらが……まさかスカウトした賢治の両親なんて思っても見なかった。


「でも、諭吉なら安心よね。」

「そうだなぁ!でも……何時子供好きになったんだ?あの子(乱歩)の馴きようは10年位一緒に居ないと無理だぞ?」


………相も変わらず勘が鋭いな。こいつ。厭、勘だけか。


「貴方。取り敢えずそいつの脳ぶち壊していいと思うわよ。失礼な事しか考えてないから。」

「そうか?なら一思いに…!」


ニシシッと笑うそいつの姿。どう見ても俺と再会出来て嬉しい、なんて顔をしているので何も云えない。


「まぁ乱歩君を拾った原因は何処かの事件で偶々居合わせたのが1つの原因でしょうけど。」

「原因で思い出したぞ!俺、乱歩君に嘘をついてしまった!」

「嘘?」

「俺達は都会で出会った、と!彼処は……都会とは云えん!」

「あら、見方によっては都会よ。ねェ、諭吉?」

「知らん。」


取り敢えず……もう帰っていいか?


* ̄・ ̄* ̄・ ̄*

福沢諭吉→賢治のだ両親と知り合いだった。…会いたくなかった。気分ただ下がり。

賢治母→まさか古い友人に会えるなんて!思わぬ収穫!

賢治父→諭吉に会えた喜びよりも今は乱歩に嘘をついてしまった罪悪感で心がいっぱい



私的には賢治君の両親と福沢さんって知り合いだと思うんです。此の小説では殆ど乱歩さんがスカウトしたようなものですが、原作では福沢さんがスカウトしたようですし。何となくです。

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作者名:フ瑠ラン | 作成日時:2018年3月12日 0時

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