経緯 に ページ3
「此処、本当に何処ー！？」
僕は叫んでいた。
もう疲れた。歩けない。
「国木田〜！」
何時ものように国木田を呼ぶが勿論声がするはずもなく。チョロチョロ、と小川が流れているのを見て太宰が流れていないか、なんて確認をしてしまう。勿論、太宰も居ない。
携帯を見てみると、どうやら充電が切れたらしい、画面が真っ暗だ。まるで今の僕を現すかのように……。
「止めだ！止め！……さて、どうしようか。僕は道なんて覚えても居ないし、知らないからなぁ。推理をしようにも何も出来ない。」
僕の異能力“超推理”も此処では使えない。さて、どうしたものか。考えろ！僕！！
「わぁ。こんなところに人なんて珍しいです！どうかされたのですか？」
不意に後ろから声を掛けられた。後ろを振り向くと首に麦わら帽子を下げて、長袖と半袖のシャツを来た上に、デニム地のオーバーオールを来ている金髪の少年に会った。
「そうなんですか！迷子になってしまったのですね！此処から、ほんの少し遠い場所に僕の村イーハトーヴォ村って云う村があるんです！そこに行きましょう！」
「僕、もう歩けない！」
「なら、僕がおぶりますね！」
そう云って僕をおぶってくれる少年。
「ねぇ、キミ名前は？」
「宮沢賢治って云います！」
「ふーんそ。あ、僕は江戸川乱歩ね。乱歩、でいいから！」
「乱歩さん、ですね！分かりました！」
元気佳く返信する賢治君。きっとこの子はいい子なんだろう。現に動けない僕をおぶって村まで連れていこうとしてくれている。
其に、この子は………異能力者だ。
＊￣・￣＊￣・￣＊
江戸川乱歩→いつの間にか森の中に！？賢治君助かったよ！
宮沢賢治→迷子の乱歩を見つけた心優しき人物！異能力者の可能性有り…？
国木田独歩→理想を求める男。今回出番無し
太宰治→自 殺愛好家。愛好家と書いてマニアとも読む。
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作者名：フ瑠ラン | 作成日時：2018年3月12日 0時
