第三幕 武装探偵社 ページ4
「国木田」
「はい、社長。どうなされましたか?」
社長室へと呼ばれた国木田。社長国木田を見て口を開いた。
「今日、ここに客人が来る」
「客人…ですか?」
「然り。しかし、その客人は超がつくほどの方向音痴だ。中島敦を連れ、その客人を探してきて欲しい」
「了解しました」
国木田は九十度に腰を曲げお辞儀をすると社長室を出た。
「乱歩さん」
「んー、国木田ー」
机の上に足を乗っけ棒付きキャンディを舐めている乱歩に国木田は話しかけた。
「ウィリアム・シェイクスピアと言う人物の容姿を教えて貰いたいのですが」
「んー…ん?」
ダルそうに国木田の話を聞いていた乱歩だったが、『ウィリアム・シェイクスピア』と言う名前を聞いた時目を開いた。
「社長がその名前を出したの?」
乱歩の双眼の目が国木田を射るように見つめている。
「ええ。客人だと言っていました」
「国木田が探しに行くの?」
「はい。正確には俺と敦の二人ですが」
「え、僕ですか?」
急に名前を出された敦は自分で自分の顔に指を指し国木田に聞いた。国木田は「ああ」と頷く。
「…そっか。じゃあ国木田、敦君、その依頼僕と太宰に変わってよ」
「え、私?」
「いやしかし…」
乱歩が殺人事件以外をやることは早々ない。何故なら乱歩は“名探偵”だからである。
「国木田、変わって」
「………判りました」
流石の国木田でも乱歩の威圧には敵わなかった。
▼▲▼▲▼
「太宰、君に1つ言っておかなければならないことがある」
「何ですか?乱歩さん」
ヨコハマの街を歩く二人。勿論二人はかいわれをしながらウィリアムを探している。
「君はウィリアムには触れちゃいけない」
「…異能、ですか」
「そうだよ。彼の異能は常時発動型でね、君が触れるとウィリアムは凄いことになる」
「判りました。気を付けます」
“ウィリアム・シェイクスピア”。謎の多き彼。乱歩が社長以外に唯一心を許している男。異国出身の男。太宰が乱歩に異能の所載を聞いても頑として答えなかった。
「(却説、ウィリアム・シェイクスピアとはどんな人物なのだろう。写真を見せてもらっても私と同レベルぐらいのイケメンとしか判らなかったし…)」
太宰は乱歩に気づかれないようにため息をついたのだった。
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ