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暗殺10日目 ページ10

廃校につくと皆が「組長がボーイフレンド連れてきたぞぉおお!!」と大騒ぎ。勿論制裁を加えた。それでも五月蝿かった奴等に「本気で(4階)の窓から落とすぞ」と脅せばすんなり身を引いた。

昔餌食になった奴を見たことがあるからだろう。餌食になった奴は確か屋上から落とした筈だ。どんな理由かは覚えていないがきっと私の燗に障る事を言ったのかそんな行動をしたのだろう。

ちなみにちゃんと生きている。一瞬生死をさ迷った、とも言っていたが。興味無かったのでそこまで覚えていない。


「騒がしい人達だね」

「相変わらずだ」


赤羽の言葉に頬が緩むのが分かる。何だかんだ言ってアイツらは私の家族同然の奴等だ。


「聖さんは何で組長なんかやってるの?」


赤羽の問いに少し目を見開いた私だが別に隠すことでもないので話す。


「…昔は父が組長をやっていた。アイツらは父に拾われた奴や助けて貰った奴、父に憧れていた奴……そんな奴らが集まっている。ま、当の本人の父は交通事故で私を庇って死んだが」


その光景が今でも思い出せる。あの時は(すこぶ)る病んだものだ。アイツらが私の横でずっと慰めてくれたからこそ今の私がいる。


「なんか聞いちゃいけない話だったね……ごめん」

「別に気にしていない。父の話は今でも会話に出てくる。父と仲のよかった奴は私達顔を見て攸聖(ゆうせい)に似ていると言う」

「攸聖?」

「父の名前だ。藍海(あいかい) 攸聖(ゆうせい)。私の(みずき)は父から名前を取っている。普段は(みずき)なんて呼び方しなくてよく色んな奴らから間違えられるが」


……そう言えば誰しも私の名前を一度は(せい)だとか(ひじり)だとか間違えるのにあのタコは一発で(みずき)と呼んだな。…珍しいこともあるんだな。


「名前の珍しさで言うなら俺もだよ。(ぎょう)と書いて(かるま)って呼ぶんだ。珍しいでしょ?でも俺は結構この名前気に入ってるんだよね」

「私もだ。何となくだがこの名前には愛着がある。親が親なら子は子だな」

「そうだね」


何となく赤羽に心を開いた瞬間だった。(かるま)、か。覚えていてもいいな。

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作者名:フ瑠ラン | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年5月17日 0時

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