暗殺9日目 ページ9
藍海聖side
「ねぇ聖さん俺と一緒の班になろうよ」
そう言ってきたのは最近私に付きまとってくる“赤羽業”と言う赤髪だった。赤羽が言うにはもうすぐ修学旅行があるらしくその同じ班になりたい、と言うことだった。
正直言うと私は修学旅行なんて行かなくてもいいのだがそんな事を言うとまた怒られるし、赤羽やタコが五月蝿いだろうから渋々頷く。
頷く私の姿を見て赤羽はパァアと周りに花を散らしたかのように喜ぶ。何故そこまで喜ぶのかが分からない。赤羽は私の手を取り「行こう」と言う。何処に行くつもりだ、こいつは。
私の考えが少し顔に出ていたのか赤羽は「渚君のところだよ」と教えてくれた。
「渚君」
「あ、カルマ君。誘えたんだね」
潮田は私の顔を見ると赤羽に微笑んで言った。赤羽は潮田の言葉に頷く。メンバーを丁寧に潮田は教えてくれたが正直言って覚える気もないしどうでもいいのでスルーさせていただく。
この後、赤羽が修学旅行で行きたい所を1ヶ所は言え、等と変な無茶振りをしてきて焦った。……勿論顔には出さなかったけど。
話し合いも終わりいつもの廃校だったに向かおうかとすると赤羽が「一緒に帰ろうよ」と話しかけてきた。
「家には帰らない」
「じゃあこの前の廃校に行くんだ」
「…そうだが……」
「聖さんの家って廃校から近いよね。ついでに言うなら俺んちからも近い」
……いつ私の家に来たのか、そんな純粋な疑問も持ったし今考えてわかったのだが
別に呼び方どうこうで文句を言うつもりはないのだが。呼び方なんて別にどうでもいい。変なあだ名で呼ばれなければ私は文句を言うつもりはない。それほど無関心だと言える。
ちなみに私は赤羽の事を赤羽、と呼んでいる。最初は不良慈善者君と呼んでいたのだが「それはやめて」とキッパリと断られたので赤羽になった。本人からは名前で呼べ、と言われたがそこまで仲良くするつもりもないし下の名前を覚えていなかったので赤羽で通した。
結局赤羽もあの廃校に行きたい、と言い張ったので一緒に行くことになった。
「カルマ頑張って!」そんな眼差しで赤羽のことを皆が見ているなんて私は露知らず一緒に廃校へと向かった。
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