貴方は鬱陶しい (ページ17)

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暗殺１７日目ページ17

藍海聖side

目を覚ますと最初に見えたのは黒のカーディガン、赤い髪の毛だった。

「…状況がイマイチ掴めない」

「あ、起きたんだ」

一定のリズムで揺れていたが止まり赤羽の顔が見える。……私は赤羽に背負られていると瞬時に理解した。

「怪我とかしてないらしいけど…痛いところない？」

「体に支障はないから、大丈夫。重かっただろう？ありがとう」

「いや、軽すぎると思うよ。ちゃんと食べてる？」

赤羽の言葉に思わず目を見開く。私は迷わず赤羽のおでこに手をやった。

「なにしてんの？」

「熱……はないな、どうした？トチ狂った？」

「……あはは、殺意わいた」

笑顔で赤羽は言うものだから私は「赤羽がそんなことを言うとは思わなかった」と弁解する。すると赤羽は「心配ぐらいはするよ」と言って再び歩き出した。

「おりる」

「ダメ」

「おりる」

「ダメ」

「せめて旅館までは俺が背負うよ」と言われる。きっと私が粘ったところで赤羽はおろしてくれないようなので渋々私は赤羽に背負われる｡

「茅野さん達は？」

「大丈夫だよ。俺が歩くの遅いから先に行って貰ってる」

「そうか」

「うん」

………会話が途切れる。何となく気まずい空気が私達を支配する。何か話すことはないだろうかと考えていると赤羽が先に口を開いた。

「ねぇ俺と初めて会ったとき覚えてる？」

「タコと一緒に来たあの時…？」

「違うよ、入学式の時だよ」

…………。考えるが全く思い出せん。なにも喋らない私を雰囲気で感じたのか赤羽は苦笑いで教えてくれた。