元ヤンと変人ポエマーワールドトリガーへトリップ！？2 (ページ9)

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▽二十八話ページ9

＿＿＿なぜ、あの方が！
凛の声がもう一度私の頭の中で繰り返され、私がその言葉の意味をつかみ取るその直前。応援部隊としてかけつけたＡ級部隊たちがそろって攻撃を始めた。
狙撃手は皆アイビスで。アタッカーはそれぞれの武器を投げるようにして使い、太刀川さんなどは旋空弧月とか使ってる。
ガンナーとかシューターとかは、わかりやすく状況に応じて使用トリガーを変えている。

ズドン、と言う音がする。ただの巨大なシステムである敵の体(？)に、Ａ級全員の狙撃手が力を合わせて放ったアイビスが当たる。
次の瞬間、メテオラなどのシューター、ガンナーの放つ威力の大きいトリガーが次々に当たる。そしてとどめには太刀川さん率いるアタッカーの限界を超えた遠距離での攻撃だった。

「＿＿＿まだ、終わっていない！」

すでにボーダーの最高峰の攻撃を叩きつけているというのに、その『システム』は微かに傷が付いているだけで、深い傷を負った様子はなかった。
このままだとボーダーの戦力が敵を倒す前に、全員のトリオンが切れてしまう。

「日向さん、休んでください！
　僕たちに任せてください。＿＿＿僕らはボーダーの最強と言われる者達なんです。それに、忍田さんが向かってます。留理さん、あなたも！」

「あ、あァ……！？」

「ご覧の通り、無理、みたいですよ……せめて遠くから見せてくださいよ……みんなのピンチの時にはいつも、駆けつけられる距離で……ね？」

もしかしたら私、死んじゃうかもしれないんだからさ。そんな言葉は勿論、私達を心配してそう言った烏丸には言いはしなかったが。
アタッカーは前に出て、私と日向さんは後ろに下がった。ただ、日向さんは今にも敵に駆けつけそうだった。

『ふふふ……よくやってる。仲間のために死力を尽くして敵と戦う……いいねぇ、とってもいいよ。私も何世紀か前だったら＿＿＿賛成してんだけどね』

システムの言葉が、今までにないくらい冷たい音声をしていた。次の瞬間、膨大な概念だったはずの『それ』は暴風を起こし、段々と一人の女の姿に変わり始めた。

「さぁ、＿＿宴だよ。この私が出てきたんだから、楽しませてほしいね」

くすくすと笑う女の姿は＿＿＿、

心なしか、少しだけ、ほんの少しだけ、日向さんに似ているような気がしなくもなかった。