▼第36話 ページ24
またいつも通りの日々が始まる。……と言ってももう私はボーダーではないし命懸けの闘い、なんて早々できなくなってしまった。
またボーダーの生活に戻りたいかですそう聞かれれば私は迷いなく「Yes」と答えるだろう。あの世界には色々と未練が残っている。
でも、留理をこの世界に飛ばしてまではあの世界に居たいとは思わない。確かにあの世界では色々と経験を積んだ。
一匹狼だった私に仲間ができて私を分かってくれる人がいて…向日葵と同じぐらい大切な仲間だ。そんな仲間が泣く顔を私は見たくない。私が犠牲になって済むものなら私はいくらだって犠牲になろう。
「……今日も、平和、か……」
青い空を見ながら私は呟く。雲一つ何もないまっさらな青。この空が紅く染まったらきっと私は心から喜ぶだろう。……他人からしてはたまったものではないが。
「上を向きながら歩くと危ないって知りやせんかいな」
ン…どこかで聞いたことのある声だ。でも私とは関係ないだろうからスルーする。
「人を無視するなんて酷いのぉ」
おーい、こいつ誰かに無視されてるンだってよ!無視しちゃ駄目だろォが。周りでゴタゴタ騒がれちゃたまったもンじゃねェンだよ!
「主じゃよ!」
私の肩をガシッと捕まれようやく私は後ろを振り向いた。……この顔……。
「紅葉……?」
「ようやく私の顔を見たのぉ。何度呼んだことか」
「…なんでここに?」
「アンタを連れ戻しに来たんよ。凛と私を繋ぎ止めてくれた御礼じゃ、これぐらいさせろ」
「は?」
「さあ行くぞ」
私は訳の分からないまま紅葉に腕を引っ張られた。
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蒼也 - 感動しました。すごく良かっです! (2020年6月20日 23時) (レス) id: ea89e2c5ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フ瑠ラン&ぐらにゅー糖 x他1人 | 作者ホームページ:http:/
作成日時:2018年4月22日 18時