検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:1,359 hit

▼第36話 ページ24

またいつも通りの日々が始まる。……と言ってももう私はボーダーではないし命懸けの闘い、なんて早々できなくなってしまった。

またボーダーの生活に戻りたいかですそう聞かれれば私は迷いなく「Yes」と答えるだろう。あの世界には色々と未練が残っている。

でも、留理をこの世界に飛ばしてまではあの世界に居たいとは思わない。確かにあの世界では色々と経験を積んだ。

一匹狼だった私に仲間ができて私を分かってくれる人がいて…向日葵と同じぐらい大切な仲間だ。そんな仲間が泣く顔を私は見たくない。私が犠牲になって済むものなら私はいくらだって犠牲になろう。


「……今日も、平和、か……」


青い空を見ながら私は呟く。雲一つ何もないまっさらな青。この空が紅く染まったらきっと私は心から喜ぶだろう。……他人からしてはたまったものではないが。


「上を向きながら歩くと危ないって知りやせんかいな」


ン…どこかで聞いたことのある声だ。でも私とは関係ないだろうからスルーする。


「人を無視するなんて酷いのぉ」


おーい、こいつ誰かに無視されてるンだってよ!無視しちゃ駄目だろォが。周りでゴタゴタ騒がれちゃたまったもンじゃねェンだよ!


「主じゃよ!」


私の肩をガシッと捕まれようやく私は後ろを振り向いた。……この顔……。


「紅葉……?」

「ようやく私の顔を見たのぉ。何度呼んだことか」

「…なんでここに?」

「アンタを連れ戻しに来たんよ。凛と私を繋ぎ止めてくれた御礼じゃ、これぐらいさせろ」

「は?」

「さあ行くぞ」


私は訳の分からないまま紅葉に腕を引っ張られた。

▽第三十六話→←▽第三十五話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

蒼也 - 感動しました。すごく良かっです! (2020年6月20日 23時) (レス) id: ea89e2c5ba (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:フ瑠ラン&ぐらにゅー糖 x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年4月22日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。