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「みんなに会いたいし、私も翔ちゃんの車に乗っけてってもらおうかなあ」

「あ、今日局一緒?」

「うん」



翔ちゃんが口いっぱいにご飯と唐揚げをかきこむ。

リスみたい。人の頰ってそんなに膨らむんだ。


翔ちゃんの顔を見るたびいつも思う。



「家帰んなくていいの?」

「うん、ちょっと換気したかっただけだし」



ふと、翔ちゃんの体越しに、こちらにカメラを向けてる女の子が見えた。



「翔ちゃん、撮られてるよ」

「・・・仕方ないよ、キリないし」


この前、2人で講義受けてるところを写真撮られてSNSにアップされて、記事になるほど大事になった。


これに関しては、翔ちゃんがCM完成披露会で、
新商品の焼きおにぎりを片手にコメントしてくれたから、事なきを得たけど

事務所にはこっぴどく怒られた。


迂闊だ、と。



「また事務所に怒られちゃう」

「わかりましたよ」



翔ちゃんが嫌そうな顔をして立ち上がって、くるりと振り向くと

女の子たちは慌てたようにスマホを机に伏せて、翔ちゃんと目があったことに顔を赤らめて喜んでいる。


それから翔ちゃんは、彼女たちと二、三言かわして、私の前にもう一度腰を下ろした。



「いい子達だったよ。画像まで消してくれたし」

「私が行ったら舌打ちされてたよ絶対」

「どれだけ根に持ってんの(笑)」



前にも翔ちゃんといるときに写真を撮られて、
その時は私が、女の子たちに消してほしいと頼んだら、

嵐に媚びてんじゃねえよ!と舌打ちをされた。


媚びてるわけじゃない、ただの境遇だ。

どれだけ羨ましがられても妬まれても、こればかりはどうにもできない。


そう、私は女子ウケがとことん悪い。


私が女優としてブレイクするきっかけとなったドラマが極悪非道の悪女役だったことが最も大きな要因だと解釈している。


これが大学一年生の時だから、3年前だ。

その時に初めて、智との手繋ぎデート写真を大々的にスクープされた。


私達の運命を大きく変えた、最悪のタイミングだった。

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作者名:くろーばー | 作成日時:2019年6月10日 22時

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