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マンションに着くと、時刻はもうてっぺんを超えた頃だった。
それにしても何週間ぶりだろう、自分の家で一夜を過ごすのは。
智のマンションの鍵と自分の部屋の鍵の二本がついたキーケースから、自分の部屋の鍵を鍵穴にさす。
ガチャ、と音がして鍵を抜き、ドアを開けると
リビングから漏れる光が目に入った。
・・・智だ。智がいる。
それだけで沈んでいた心が軽くなるなんて、単純にもほどがある。
「智？」
急いで鍵を閉めて靴を脱ぎながら、名を呼ぶと
椅子を弾く音が聞こえて、リビングのドアが開いた。
「おかえり、A」
「・・・なーんだ」
リビングからでてきたのは、和也だった。
「なんだってなによ。こんなイケメンが迎えてやってるのに」
「え？どこにイケメンがいるの？」
「ティッ！」
「いった！暴力反対！」
扉の前に立ち塞がる和也を押し避けてリビングに入ると、テレビの前の机にツマミとお酒を広げ
ソファに座る智と、ソファを背もたれにして直に座っている相葉ちゃんがいた。
「おかえり」
智が缶ビールを片手にヒラヒラと手を振り
「お邪魔してまーす」
相葉くんが両手にうまい棒を持ちながらそれを横に振る。
「こいつら付いてきやがった」
「ふふ、またか。いいよ、私も飲みたかった」
いつもこんな感じだ。
私の家はよく溜まり場になる。
たぶん、智が1人で私のマンションにくるより、マネージャーも了承しやすいんだろう。
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作者名：くろーばー
| 作成日時：2019年6月10日 22時
