瑠璃色、揺れる【Satoshi.O】 (ページ38)

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「ううん、ユリのせいじゃない。運が悪かっただけだよ」

私と智の写真がでた日

それは私の誕生日、私と智が初めて出会った日、そして、付き合って4年目の記念日だった

「私は今の生活で十分幸せだし、ユリが謝ることなんて何１つない」

帰ったら一緒に指輪を買いに行こう

その日は1日オフだった私に、そう言って智は行ってきますのキスをして家を出た。

「私が悪女だって言われ続けてるのは、あの映画の私の演技が百点満点だったってことでしょ？」

そのすぐあとだった。

みっちゃんから、まずい状況になった、と連絡があったのは。

「A・・・」

ユリのコメントは、完璧だった。

SNSでも、ユリの勇姿を讃える声が批判する声を消した。

代わりに、私の非難であふれた。

どうしてあの女なの？

大野くんは騙されてる

・・・別れろ

私はすぐにSNSをやめた。

「私は本当に平気だよ、今だって週3で智の家に帰ってるし」

どうして女は、これほどまでに見栄を張るのが得意なのだろう。

心はこれほど叫んでいるというのに。

「A・・・私、なんでもするから、だから」

「ありがとう、ユリ」

被せるように返事をしたのは、危うく、親友としてあるまじき言葉が口を注いで飛び出しそうになったからだ。

「ユリは翔ちゃんと、ずっと幸せでいてね」

それなら結婚はやめて、と。