瑠璃色、揺れる【Satoshi.O】 (ページ29)

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高校の時から智と付き合ってること、

初の主演映画の時にデート現場をすっぱ抜かれて、大バッシングをうけたこと、

それから破局報道を流して、ずっと隠れて付き合ってること

一通り説明している間、小野さんは最後まで真剣に聞いてくれて、素直に嬉しかった。

「なんかいいね、そういうの。真実の愛って感じする」

「プリンセス映画みたいなこと言うんですね」

「おっさんだって夢くらい見ますう」

きっと、今まで話すらできなかったから

恋バナというか・・・惚気っていうか

そういうのを、私はずっと誰かに聞いてもらいたかったんだと思う。

「そろそろ行かなくて大丈夫？彼、待ってるんじゃない？」

「あ・・・忘れてました(笑) ついつい話し込んじゃってすみません」

「いいや、楽しかったよ。またいつでも」

「ハイ、ありがとうございます」

ポケットからスマホを出してちらっとロック画面を見ると、智から何件もスタンプが送られてきていた。

その中には、またすっかり忘れちゃってたけど廊下で待たせていたみっちゃんから、お前の楽屋で昼寝するってメッセージも入っていた。

開かずに、もう一度ポケットに戻す。

「俺は食堂でも行こうかな、おばちゃんと仲良くなっていつも大盛りしてくれるんだよ」

「さっすが共演者キラー！」

「あ、それ言っちゃう？結構気にしてたのになあ」

談笑しながら2人で楽屋をでて

エレベータを待っていると、軽快な音がして扉が開く。

「Aちゃんだって言われてるでしょ？」

「私は共演者キラーって言うより、女の敵・・・」

エレベーターの中に乗っていた2人組の男、の1人と目があって

見られたくなかったものを見られた時のように、ドキリ。とした自分がいた。