瑠璃色、揺れる【Satoshi.O】 (ページ25)

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「智、おかえり」

「うん」

煙草の残り香をつけたまま智が、私の隣にどかっと腰を下ろした。

楽屋の真ん中には大きなテーブルがあって、私の向かい側に翔くん、ニノ、松潤、の順で座っている。

私の隣には、ケーキを頬張っている相葉くんがいたけど、

その間をわるように智が座ったから、隣は智になった。

「さっきみっちゃんが廊下で電話してたけど」

「大河ドラマ、やることにしたの」

「そ、頑張れよ」

「会いに来てね、北海道」

放り出された手をこそっと握る。

「北海道かあ、ホッケかなあ」

「また釣り行くの？私カニがいい」

「いいな、カニ食いてえ」

「この女を骨抜きにした悪い男だれよー！」

ニノがやっぱりスマホから目をあげないまま叫ぶ。

嵐5人には5人の空気があって

私はよく見知ったこの空気が、心地よくて・・・

「A、今日は嵐の楽屋撮影あるらしいからでていくぞ」

「え、俺らそんなこと聞いてないんだけど」

「突撃だよ、よくあるやつ」

「それ言っちゃダメなやつ！」

それに、5人にはちゃんと不可侵領域のようなものだってある。

私は本当に小さい頃から一緒だから、その不可侵領域にはズカズカ入っていけちゃうんだけど

私が嵐と共演したら、仲良いのがバレてまた炎上するから

事務所が共演NGを出してるっていう現状。