瑠璃色、揺れる【Satoshi.O】 (ページ23)

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「お前さあ、連絡すんのおっせーよ」

一服する、という智を車に残し

1人で嵐の楽屋に向かった。

そこにはついさっき連絡したばかりのみっちゃんがいて、

潤くんが買ってきたシュークリームのカスタードを口周りにつけて、私を見た途端

あからさまに嫌悪を露わにした。

「ごめんなさーい」

「ピンポン鳴らしてもでてこねーし電話もでねーし死んでんのかと思ったわ」

隣に座ると、みっちゃんはスッと私に顔を近づけてクンクンと匂いを嗅ぎ

またイヤ～な顔をする。

「ったく不良だなあ、お前ら」

「みっちゃん」

わかってる、自分勝手なのは。

私は、この仕事に誇りを持ってるし

目標だってある。

やりたくてやってるはずなのに、ただ、優先順位だけがどうしても譲れなくて・・・

「私やる、ドラマ」

「・・・まじ？」

だけどその優先順位の1番が、

智が、言ってくれたから

女優の私も好きだ、と。

「1年半だぞ？生活のほとんどが北海道になるぞ？」

「やるって決めたの」

・・・智。

私はずっと

なんでも完璧にこなすあなたが羨ましかった。

「・・・わかった、スケジュール調節もしないといけないからとりあえずオファー受けるってだけ連絡しとくわ」

私の永遠の目標、

私もあなたのようになりたい。

だけどそれを達成することは限りなく不可能に近い

私は・・・超えられない壁を知っている。