ケンカ。 ページ5
「...そんな。付き合ってないです。ただのクラスメイト...です。」
「なら、よかった。あのさ、付き合ってないならベタベタ二宮くんに近づかないでくれる？」
下から上まで私を睨みつけて、言った。
「...は？」
「付き合ってもないのにチョロチョロされると目障りなのよね。」
「待ってよ...意味が分からないんだけど...」
振られたばかりの私の心は、2人によって、さらにエグられて無償に腹が立った。
「二宮くんはアイドルなのよ？あんたみたいな一般人とじゃ不釣り合いだって言ってんの。これからは安易に近づかないでね？」
そう言い放つと2人組は私に背を向けて、去っていった。
すると見ていたのか舞花がすぐに私の後ろに駆け寄ってきた。
「大丈夫...？」
「...ムカつく！！...」
私はあまりの怒りに2人の背中を見ながら足をバタバタさせた。
「何なの？！あれ！私がいつベタベタしたってゆうの！！ねぇ？舞花！何で私があんなこと言われなきゃなんないの？！」
舞花の腕をこれでもかってゆうぐらい強く掴んだ。
「ちょ...ちょっとA落ちついて！」
「柴崎...どした？」
すると突然、私が今1番聞きたくない声がした。
二宮くんが、私の前に立っていた。
私は怒りと共に頭に血がのぼった。
「もー！！...何で...何で話しかけてくるの？もう訳がわからない！...私の気持ち知ってるくせに...早く忘れたいのに、これじゃ全然忘れられないじゃない！あの2人も意味分かんないこと言うし...！...二宮くんは振った身だから、全然余裕かも知れないけど、、！私は！私...は！毎日辛くて..苦しくて...」
怒りなのか悲しみなのか何もかもが爆発して、泣き叫んでいた。
「...おい...落ちつけって..」
二宮くんが私の肩を掴んで心配そうに私を見つめた。
「離して！...好きでもないくせに..そんな目で見ないで！」
「...どーしたんだよ...今の2人に何か言われたんだろ？何、何があった？」
どうして二宮くんは優しくするの？
どうしてそんな顔で私を見るの？
好きでもないのに...どうして心配そうに私を見つめるの？
もう訳が分からない...
「...お願い...もう私に構わないで」
私は逃げるように二宮くんに背を向けて、その場を立ち去ろうとしたら二宮くんが私の腕を掴んだ。
「...もう限界...ちょっと来い！」
二宮くんがさっきとは違う低い声で、さらに私の腕を力強く掴んで私を引っ張って歩き出した。
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作者名：akiru | 作成日時：2017年8月12日 2時
