消えぬ想い～K.N～② (ページ35)

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2度目。ページ35

「そいえば...お前オレの出てる番組とか見たんだろ？」

「え？！何で知って...」

「舞花ちゃんに聞いたんだよ。オレの現場偶然見たって。」

舞花のやつ、私のいない間に余計なこと言ってなきゃいいけど。

「...見たよ。だってね？私の知らないかずくんがいるように見えて...私全然かずくんのこと知らないなって思って。それでかずくんのいる世界どんなだろうって。知りたくなったの。」

「で？その世界はどんなだった？」

「...一言では言い表せないけど...私と住む世界が違うなーって。その世界に私は..」

いないなって。必要ないなって。言おうとしたけど言葉にすると涙が溢れそうでやめた。

かずくんは私を抱きしめていた力を強くした。

「...前にも言ったと思うけど、オレはAといると普通に戻れるんだよ。あっちの世界にいるとたまに狂いそうになるから。だからお前は知らなくていい。何にも知らずにそのままここにいてくれたらいいんだよ。分かった？」

「...ん。」

狂いそうになるって...そんなに大変な世界なの？私にはキラキラしてるように見えるけど、かずくんにとってはそんな世界なの？
きっと...私には到底理解出来ない世界があるんだ。

「ってゆーことでキスしていー？」

さっきとは違うトーンでいつものふざけたかずくんが登場した。

「ってゆーことって全然繋がってないんだけど？」

そんなかずくんがたまらなく好きで、私もふざけて返事をした。

「そんなのどーだっていーんだよ。今キスしたいって思ったんだから。」

そう言うとかずくんは私の顎に手を添えて私をかずくんの方へと振り向かせた。
かずくんしか見えないこの距離で、私はかずくんを見つめた。
ゆっくりかずくんが近づいてくるのが分かって、ゆっくりと目を瞑った。

「....？」

あれ...なかなかキスされない。
私は細目でかずくんを見るとかずくんが笑っている。
自分の今の状態が恥ずかしくなり、私はかずくんの手を振り払い立ち上がった。

「...もう！バカ！」

「あ、怒った」

「...超ムカつく！何なの！？からかうにも程がある..」

かずくんはいつの間にか私の後ろに立っていて、またしても私は不意をつかれて、立ったまま顔だけを振り向かされてキスされた。