消えぬ想い～K.N～② (ページ2)

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親友。ページ2

教室に入るといつもと変わらない景色がそこにはあった。
私が今どんな気持ちでここに立ってて、何があったかなんて、この場所に全然関係なくて。
そこに日常がある。

「A？何そんなとこでボーっとしてるの？」

「...あ、舞花。何でもないよ。おはよ。」
私は今出来る精一杯の笑顔を舞花に向けた。

「...そ？ならいーけど。」
そう言って舞花はいつものように私に、世間話を始めた。昨日見たテレビの話とか、飼っているネコの話とか。
私はその話を聞いていると、悲しさを紛らわすことが出来た。
もしかしたらお母さんは、そのことを分かってて私に無理にでも学校に来させたのかもしれない。

するとチャイムが鳴って、私の胸はドクンと大きくなった。
私はそっちの方向を見ずに、二宮くんが教室に入ってきたのが分かった。

その日は二宮くんとすれ違うこともなく、無事に学校が終わった。

「A？何かあったでしょ？」
そう言って舞花がカバンを持って私の席の前に立っていた。

「水くさいなぁ。あのさ？Aの様子がおかしいことくらい見てれば分かるんだからね。隠し事なんて出来る訳ないでしょ？はい、行くよ。」
そう舞花は怒りながら私のカバンを私に持たせて、私の手を繋いで教室を出た。

引っ張られながら、いつものクレープ屋の前に着いて、クレープを買ってベンチに座ると舞花は美味しそうにクレープを頬張って、私もつられるようにクレープを頬張った。

私は舞花に全てを話した。

「終わっちゃったんだ。本当に。」
舞花に全てを話したとたん、私はようやく落ち着いて現実を受け入れられた気がした。

「...そっか。」
そう言って舞花は少し黙って俯いた。

「...舞花ありがとうね。応援してくれて。もう沢山泣いたから大丈夫だよ。」

舞花がようやく顔を上げると、涙を浮かべながら「頑張ったね。」と声を震わせながら私の頭を優しく撫でてくれた。

その舞花の瞳で、私は胸が沸騰したみたいに熱くなって、熱い涙が溢れおちた。

悲しい涙と嬉しい涙が混じって、今までにない感情が私を支配して、舞花と2人で「舞花～」「A～」と声をあげて泣いた。

そんな様子を道行く人が見て行くけど、お構いなしに私たちは泣き続けて、舞花のクリームが頬についていて私が笑ったら、舞花は私にクリームを付けてきて、私たちはいつの間にか笑い泣きに変わっていた。