26 ページ6
目を覚ますとお世話になってる部屋だった。
もう胸の痛みや苦しさは無くて、腕に刺さっている点滴を見る限りまた助けてもらったんだろうな…
腕を見つめていたら扉が開いた気配がして、見るとユンギさんが立っていた。
YG「…目、覚めてよかったな。」
スタスタとこちらに向かってきて手際よく点滴を外される。
YG「さ、一緒に暮らすことになったしお前に一つ話がある。」
ユンギさんとこんなに会話をするのは初めてかもしれない…
YG「…お前の中のウイルスを消滅させたつもりだった。けど、それは間違いらしい。」
その言葉でさっきの出来事が思い浮かんだ。
YG「今の俺の薬じゃウイルスを眠らせる事しか出来ない。普段の生活くらいなら活動しないが…」
『…ある程度動くと目覚めるんですね。』
YG「そ。」
それは困る。
私の予想が当たっていれば今までの1/10も動けないじゃん…
YG「…悪ぃ」
『え?…なんでユンギさんが謝るんですか。』
ユンギさんが謝ることなんか1つもない。
むしろ迷惑掛けている私が謝らないといけないくらいだ。
YG「とりあえず…発作を抑える薬は作れたから渡しとく。発作が起きそうな時とか、起きてすぐに使えば効果が出る。上手く使え。」
渡された薬を見つめる。
YG「…俺はもう何とも思ってないから。」
『え…』
ユンギさんはベッド近くにあった椅子に静かに座った。
パチっと合った瞳はとても優しかった。
YG「お前も過去に縛られてばっかりじゃなくて、今と未来を大切にしろ。…ヒョンを傷つけたことは変えれないけど、これからはお前次第だろ。」
何か応えないといけないのに何も言えなくて、ただ手の中の薬を見つめた。
何故か分からないけど…
胸がすごく暖かくて、自然と涙が溢れたんだ。
312人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:モチ | 作成日時:2023年11月3日 8時