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爽やかな春風が頬を撫で、ゆっくりと瞼を上げる。
けれどまた浅い眠りへと引き戻されていく微睡の中、うっすらと開いた瞼の隙間から、ヒラヒラとレースのカーテンが揺れているのが見えた。
早朝に目覚めた後、彼と一緒に二度寝をしたことを思い出す。
「レンくん」
彼の名を呼び、隣にいるはずのそこへ手を伸ばすも、虚しく空気を切るだけだった。
彼が居ない事実に、不安に胸をざわつかせていると、遠くから「こっちにおるよ〜」と聞こえた気がしてベッドを降りた。
寝室を出て声のする方を覗いてみれば、スマホを片手にマグカップを啜る横顔が目に入ってきた。
「ごめん、寝過ぎちゃった」
「あ。おはよ」
「今何時？レンくん、仕事は？」
「九時ちょい前やから、そろそろ出るよ」
「ごめん！寝坊しちゃって！すぐに支度するね」
思った以上に寝過ごしていたようで、慌てて寝室へと戻るため踵を返す。
気づけば眠気も吹っ飛び、頭の中でやらなきゃいけないことを速攻でイメージする。
まずは着替え、顔を洗い、トイレも行きたい。
寝室のハンガーラックに掛けていた昨日の洋服に手を伸ばした時、背後に感じた彼の気配と、両肩へ乗せられた手の感覚。
反射的に振り返ると、
「急がなくてええよ。Aちゃんは休みなんやからゆっくりしてって」
トンと肩を叩いて、彼がそう言った。
いやでも、と私が口を開くより早く、肩に乗った手が胸まで降りてきて交差する。
私は完全に彼の腕の中。
振り返っていた顔は自然に前へ戻っていて、ハンガーに掛けたままの手が視界に入ってきた。
「スペアキー置いとくから」
彼に抱きしめられる嬉しさと、彼の意図を理解して、その手を引っ込める。
そして彼の腕に重ねれば、より一層抱きしめる力を強めて、私の肩へと彼の頭が滑り落ちてきた。
「ありがとう。お言葉に甘えるね」
「うん。コーヒーとパンくらいしかないけど、食べてって」
「いいの？」
「もちろん。コーヒーはドリップしてあるから注いで飲んで。パンも好きなの選んでな」
「ありがとう」
「あ、トースターも好きに使ってええよ」
「ふふ、わかった」
子どものおつかいみたいに一から十まで説明しようとする彼に、可笑しくなって肩を揺らすと、彼は不思議そうに、そして不服そうに瞳の大きさを変えて顔を上げた。
絡まる視線は、何も疑問を持たずに顔を近づけていく。
綺麗に弧を描いた口角も、触れ合ってしまえば簡単に崩れ。
別れを惜しむように、何度も何度もキスをした。
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ルリ(プロフ) - 林檎さん» 林檎さま、返信が遅くなってしまい申し訳ございませんでした。私自身キュンが大好きなのでそう言っていただけるのが最上の褒め言葉です、ありがとうございます。更新が滞ってしまい申し訳ない限りですが、今後ともお付き合いいただけると嬉しいです^^ (6月1日 13時) (
レス) id: 9b3e1dd9b8 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - キュン死しそうでした。素敵な作品をありがとうございます｡>_<｡お身体にお気をつけて (2023年4月14日 19時) (レス) @page26 id: 84e97ac5a3 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - まいさん» コメントありがとうございます。たくさんキュンとしていただけたみたいで嬉しいです。そしてファンとまで言っていただき恐縮です。全員分を同時進行で書いているので更新が遅くなってしまっていますが、末永くお付き合いいただけると嬉しいです^^ (2022年12月30日 15時) (レス) id: 9b3e1dd9b8 (このIDを非表示/違反報告)
まい - はじめまして！すごくおもしろくていっきに読ませて頂きました！きゅんきゅんが止まりませんーきゅんで死にそうです 笑 更新大変かと思いますが頑張ってください☆すっかりルリさんのファンになりました！ (2022年12月30日 0時) (レス) @page21 id: e5435e7bdd (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - わこさん» 返信が遅くなりごめんなさい。どうもありがとうございます。 (2022年12月16日 19時) (レス) @page21 id: 9b3e1dd9b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルリ | 作成日時：2022年7月16日 17時
