冬 (ページ4)

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３．ページ4

「うあああああぁぁ……」

さっきから時折奇声を上げつつ家中を彷徨いているこの人。
ねえ、ほんとに君何がしたいの。

「……何しに来たの」

訊ねると、青は変な(ムカツクことにカッコいい)表情のまま見事に固まった。

「……あああああぁああぁぁあああああ」

……と思ったらまた変な声を上げる。

「どうしたの？」

「だって……用もないのに家に行くなんて、まるで友達みたいじゃないですか！」

……ああ、うん。何か、まあ……うん、優しくしてあげよう。

「そうだ、ゲームする？」

「……ゲームって何ですか？」

え。
待って、ゲーム知らないって君何者？どっかの御令嬢？

「……やっぱないな」

「え、何ですか？」

昨日とほぼ同じ、と言うか全く変わらないのではないかとすら思える身なりを見てやっぱりありえないと確信する。

「いや、こっちの話」

「そうですか」

青が僕のswitchを手に取り、ボタンを押していじる。上部にある小さい丸いボタンを長押しした……って待って、それ電源ボタン……！

「そこ押さないで！」

昨日あつ森セーブしてないんだよ……ああ……。

「？」

そんな可愛く首傾げても許さないから……ゆ、許さ……。

「……いいよ、教えてあげる」

それから基本の操作を教え、スマブラを一回したものの見事にボロ負けして落ち込んだ僕を尻目に青は帰っていった。