２． ページ3
『明日、どこか行きませんか？』。
LINEを開くとそんなメッセージが目に飛び込んできた。
明日か……。
特段予定はないから構わないが、倒れてしまわないかが心配だ。
するともう一つメッセージが。
『もしくは、そちらにお邪魔するとか』。
これなら体調を気にせずにすむ。
家に来て何すんだ、と言う点は考えないことにしよう。
「ウチに来てください……っと」
誤字がないか確認し、送信ボタンをタップ。
思いの外既読が早く、すぐに『９時ぐらいでいいですか？』と言う返信が届いた。
あー……。
起きれるかが心配だ。
まあ、頑張って早起きしよう。
了承の返事を送り、それなら早目に寝ておこうとベッドに入った。
．
．
．
．
．
．
．
．
．
．
ピピ……ピピッ……
目覚まし時計がうるさい。
掛け布団の下から手を伸ばし、叩いてアラームを止める。
表示された時刻は８時半。日頃の睡眠不足が祟って寝坊してしまったようだ。
やる気が起きないからこのままゴロゴロしてようと頭まで布団を被る。
眠い……。
「ミャー」
いろはが僕の上に乗ってくる。
最近重くなってきた気がする、ごはん少なめにした方がいいのかな。
少し遊んであげよう。ベッドの上で半身を起こし、ふわふわした毛並みを撫でる。
「……ミャ」
気持ち良さそうに目を細めていたいろはが声を上げた。
窓の外を見て頻りに鳴く。
「……？」
カーテンに女性らしき影が映る。
住所特定か。
怖いがこういうときには無視するに限る。
開いていたドアから入ってきたぽてとをベッドに上げてやる。
と、枕元のスマホが震動した。LINE通知だ。
『すみません、早く着いてしまって』
『今外にいます』。
ふぅ、と一つ息をつく。
いろはとぽてとの朝ごはんを用意してから玄関へ。
「どうぞー」
「失礼します……」
青がおずおずと入ってきて面接か何かのような完璧な作法でドアを閉める。続いて靴を脱ぎ、横にずれてから向きを直す。
イケメンは何をしても絵になるんだな、なんてどうでもいいことを考えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瑠璃 | 作成日時：2020年8月21日 20時
