■仮面とサイレンの間に■4 (ページ2)

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･その2 ページ2

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？「うぐっ……くっそ……」

「その〝ガキ〟に跪く気分はどうですか、スダル様。」

淡々と彼に問う少女の様子は、一周回って煽っているようにしか見えない。
苦痛と屈辱に顔を歪め、スダル様、と呼ばれた男は悪態をついた。

スダル「……ざけんな！舐めんなよくそガキ。
お前、タダの人間じゃねぇな？何の用だ。」

「私はアリス。デストラ様からの命令を伝えにきた。」

スダル「ちっ、お前もギャングラーかよ。」

わざとらしく舌打ちをするスダルのことなど気にも留めず、アリスは話を続ける。

「明日、大濱工業地帯にある石油タンクを爆破し、警察をおびきだしてそこを2人で叩け、との仰せだ。
あそこはセキュリティが厳しいから侵入は難しいが、お前の能力ならできるはずだ、とデストラ様は期待していた。」

スダル「ほ～～ん、そんならやってやるか。
……お前との連携は気にくわねえけどな。」

「……邪魔になることはしないと約束しよう。
だが、不甲斐ない働きぶりであれば、デストラ様に報告する。」

スダル「分かった分かった。
じゃあ俺の爆破を待ってろ。それが合図だ。」

「かしこまりました。
どうぞ、デストラ様の期待に添うように。」

スダル「うるせぇ！言われなくても……っ？あれ？」

スダルが一瞬目を離した時にはもう、アリスは姿を消していた。

足音もなく、断りもなく。

(ちっ、いちいち気にくわねぇヤロウだ……。)

スダルは心の中でもう一度舌打ちをすると、体を無色に変えて歩き出す。

白昼の街に、彼は溶け込んでいった。

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