■仮面とサイレンの間に■

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「デストラ様の命令により、ここからは私が相手だ。」






少女は、抑揚の無い冷たい声でそう牽制する。




その異様な佇まいに、つかさが銃口を向けて威嚇する。








つかさ「お前は何者だ！ギャングラーなのかっ？」







「我が名はアリス。……ドグラニオ様に仕える者だ。」







アリスと名乗る少女は、つかさの問いに淡々と答える。



ギャングラーの棟梁であるドグラニオに仕えているということは、異世界犯罪者集団の一員であるということ。



そんな危険な存在である少女を、パトレンジャーが見過ごすことはできない。


逃げたブンドルトに後ろ髪を引かれがらも、圭一郎達はアリスを見据える。









圭一郎「行くぞっ」









圭一郎の声で少しだけ統率を取り戻したパトレンジャーは、一斉にアリスへ攻撃を開始する。



三方向から息を合わせて交戦するパトレンジャー。




それに対しアリスは、VSチェンジャーから放たれる銃弾を左手に持つ短刀で払い、右手に持つ長刀で反撃する。



さらに彼女が振り下ろした刃からバチバチと稲妻が放たれると、パトレンジャーは咄嗟に飛び退く。








つかさ「……くっ、これじゃ全然近付けない！」









三対一の数的有利でありながら、少しも縮められない距離に苦戦するパトレンジャー達。






それを見るアリスは、マスクに覆われていないぱっちりとした瞳を細めて呟いた。









「……甘いな。」









自分を取り囲む三人に、斬撃と共に雷を放つアリス。









「「「うわあぁッ!!!」」」








辛うじて防御したものの地面に強く打ち付けられる3人に、アリスは氷のように冷たい眼差しで呟いた。









「貴様らを殺すのは命令されてない。
……命拾いしたな。」







そう言うとアリスは、水しぶきをあげて異空間へと戻っていった。









咲也「あぁ逃げられた！」









そこには咲也の悔しそうな声だけが響いた。






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