■仮面とサイレンの間に■

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そんな三人とブンドルトの間に、水面のように揺れる異空間から少女がゆっくりと歩み出てきた。







爽やかなブルーのワンピースに純白のエプロンドレス。
ふわふわとカールした栗色の長い髪に、結わい付けられた大きな黒いリボン。
陶器のように白い肌と、静かに光る琥珀色の瞳。


その美しさはまるでフランス人形のように人間離れしている。




だが、その可憐な雰囲気に似つかわしくない異質な装備が目を引く。



顔の下半分を覆う防塵マスクと、左右の腰に差された長短2本の刀。

マスクには三日月の形に笑う猫の口元と、その唇からのぞく牙が描かれている。
そのデザインは妙に生々しく、グロテスクだ。





だが、ただの少女がこんな場所に来るわけがない。





パトレンジャーが初めて対面する少女の姿に気を取られていると、少女はその見た目に違わない可愛らしい声でブンドルトに告げた。








「ブンドルト様はコレクションの回収を優先して下さい。私が奴らの足止めをします。」









ブンドルト「おう、分かった。後は任せるぜお嬢ちゃん！」








なんと少女は、ブンドルトに手を貸すような発言をしたのだ。







驚きの光景にパトレンジャーが戸惑っている隙に、大ジャンプで逃走するブンドルト。








咲也「待てっ！」








ブンドルトを追い掛けようと走り出す咲也に、鞘から抜いた刀の切っ先をｷﾝｯと向ける少女。








白く輝く三日月型の刃は、寸分の狂いもなくパトレンジャーに向けられる。







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