■仮面とサイレンの間に■

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ﾊﾟﾘｰﾝｯｯ




氷が砕け散る音で、アリスは目を覚ました。



頭を乗せていた膝から少しだけ目線を上げれば、ザミーゴが誰かに向けて銃を構えているのが見えた。



その人影は、タキシードと目元のマスクを赤色で統一している。






(あれは、ルパンレッド……)





マスクの機能により、しっかりと顔を確認することはできない。

だがその快盗は、怒りの感情でザミーゴを睨み付けていた。





魁利「一年前もそのコレクションの力で、たくさんの人々を消した訳だ……」





ザミーゴ「そんなもん持ってねぇよ。」






対するザミーゴは、ポイッと雑に銃を捨てながらため息混じりに答えた。


ザミーゴの低い声に、氷の割れる音が重なる。






ザミーゴ「これは俺の力。」






彼が椅子から立ち上がると、周りの空気が凍ったようにパキパキと音が響く。






ザミーゴ「人を消すなんて簡単なもんさ。」







小首を傾げてそう言うザミーゴ。


背中を向けていても、アリスには彼の表情が目に浮かぶようだった。







そのままザミーゴは両腕を広げると、人間態から怪人態へと変化する。


大きな帽子と首元から生える何本もの触手。


初めて見た彼の怪人態に、アリスは少し目を見張った。






(──これが、ザミーゴの本当の姿。──)





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