■仮面とサイレンの間に■

●それぞれの闘い ページ11

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ブンドルトを監視するため、アリスは人間界に来ていた。


人混みを歩くブンドルトは辺りを見回してから、雄叫びと共に化けの皮を破り捨てる。



人々の悲鳴に包まれながら、ブンドルトは光線を放ち派手に暴れる。



建物の破壊による砂煙に目を細めながら、アリスはビルの屋上からそれを見下ろしていた。




(おおかた、快盗を誘い出すための餌なのだろう。)




アリスはブンドルトが暴れている広場の傍らに立つモニュメントに飛び移り、逃げ惑う人々の悲鳴に耳を澄ませる。





(恐怖、不安、困惑……どれも分からない感情だ。)





アリスは光のない淀んだ瞳で、ブンドルトと警察の交戦を見つめていた。


しばらくして快盗が到着すると、階段の高低差を活かした攻撃でポーダマン達を次々に片付けていく。




三者が入り乱れて闘う様子を、アリスは静かに観察する。




訓練された格闘術で闘う警察に対し、ひらりと舞うように軽やかな動きで闘う快盗。




ギャングラーを優先して倒そうとする警察に対し、ギャングラーと警察のどちらにも銃を向ける快盗。



それぞれの個性を記憶し、分析する。




ルパンレッドと名乗った快盗は、ブンドルトに完全に背を向けパトレン1号を相手どる。



パトレン1号を挑発し、もつれ合いながらも2人は銃撃を止めない。



ブンドルトを相手にしていたイエローが力負けすると、彼は2人のレッド目掛けて『ペイン斬り』を繰り出す。





イエロー「レッド危ない！」




3号「圭一郎、避けろっ！」





互いに睨み合っていて攻撃に気付くのが遅れたルパンレッドは、マントのすれすれの所で躱した。



しかし、一方の1号は両手を大きく広げ、それを全身で受け止める。




(……なぜ……！？)




アリスはその行動が理解できず、小さく息を呑んだ。




ペイン斬りが分散し、背後の建物から瓦礫が降ってきても、1号はそれを受け止める。



攻撃をまともに受けた1号をブンドルトが鼻で笑うが、すぐに異変に気付く。




なんと柱の影に、逃げ遅れた親子がいたのだ。




それを戦闘中に気が付き、1号は攻撃を後ろに逸らさぬよう、身を挺して守っていた。



すぐに2号と3号が駆け寄り、瓦礫の撤去と親子の避難を手伝う。





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