page.140 ページ7
・
「待って、その子を、覚醒させるの…？」
最初に言葉を発したのはネプチューンだった。
Aを覚醒させるのは、僕だって…。
やっと幸せになれそうなAの覚醒は、戦士として、またあの過酷な人生を味あわせることになる。
でも、もう無理なのだと。
覚醒はすぐに来て、Aは、戦士となって生きていかないといけない。
その前兆は既に多すぎるほどあるのだから。
「もう、このままでは遅くなってしまう。
この子も、戦士だから。それが、宿命です」
透けたオールの、言うとおりだった。
それが、僕たちの宿命だということだって、分かってるんだ。
「プリンセスオール、あなたは」
なんとか口を開いたサターン。
サターンの姿を大きな瞳で捉えてその次を待つ。
「私たちを、恨んではいないの？」
全員が息をのんだ。
聞きたくて、聞けなかった言葉だった。
「どうして？」
キョトンとした顔で、首をかしげるオール。
「…そうね、色々と考えたことはあったけれど、恨んでなんかいないわ。
私、ウラヌスにも、ネプチューンにも、プルートにもサターンにも、今は感謝しかしてないわ」
そう言ってから、ごめんと一言謝って
オールの手がAに触れた。
「目覚めの時ですよ」
そう言ってAにすべての力を渡したオールに、もう何も言わなかった。
この運命にはだれも逆らえない。
「私は、もう帰らないと。本来姿を現していいものではないもの。
でも、少しだけ」
口元に指を当ててふふと、いたずらに笑う姿が
２人のAと重なった。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 479人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ラン(プロフ) - Yunaさん» コメントありがとうございます！のんびりとした更新ですが、何度も読み返し感想を伝えてくれて本当にありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2021年9月5日 20時) (
レス) id: 72cfa00c25 (このIDを非表示/違反報告)
Yuna - やっぱり、この小説は面白いです！もう、何度も読み返しているのですが、凄く面白くて心に残るお話です！孤独だったオールが、転生し皆に愛されて育っていく姿が感動します！！次の更新が楽しみです！！更新頑張って下さい！！応援しています！！q(*･ω･*)pﾌｧｲﾄ! (2021年8月25日 21時) (レス) id: 232f9db865 (このIDを非表示/違反報告)
ラン(プロフ) - パラさん» コメントありがとうございます！長らく更新しておらず申し訳ありません！これからもよろしくお願いします！ (2021年7月6日 18時) (レス) id: 72cfa00c25 (このIDを非表示/違反報告)
パラ - 最近セーラームーンハマってて小説に悩んでたんですけどランさんの小説めっちゃ好きです！更新頑張ってください！応援してます！ (2021年6月23日 15時) (レス) id: 76759c51ff (このIDを非表示/違反報告)
ラン(プロフ) - まりさん» コメントありがとうございます。応援ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2021年4月4日 3時) (レス) id: 72cfa00c25 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ラン | 作成日時：2020年7月13日 21時
