甘いものとはなんと罪深い… ページ23
相手は背を向けているが後ろ姿だけで分かる___ソイツ特有の血を被ったような髪…服こそ違うが、纏っている雰囲気が瓜二つだ。
生憎、鬼殺隊が解散してからは刀を持つ意味も無くなり持ち歩いているわけではないためここで戦闘は不可。
というより…なんで?どうして?
あいつらは駆逐したはず、鬼殺隊全員が命懸けで。
無惨も倒した。
色々なことが頭を埋め尽くすが一先ずは声を掛けない事には何も始まらない。
相手の肩は其奴の背が高すぎるせいかもしくは私の背が小さすぎるからなのか届かないため相手の袖口をグイと引っ張る。
『なんでお前がここに居る?』
自分でもびっくりするほど低い声が出た。
振り向いた男は…確実に彼奴だった。
「?…おやぁ?君は鬼殺隊の…そうそう!Aちゃ___」
彼奴のねちっこい声は最後まで話すことなく途切れた。私が蹴りを入れたからだ。厳密に言うと“入れようとした”だが。
現に蹴りを難なく躱されてしまった。
体が鈍ってるな…
「酷いなぁ…折角の再会なのに出会い頭に蹴ってくるだなんて…僕は君に会えてとても嬉しいんだぜ?」
『私は至極不快だけどね?』
なんなんだコイツは倒したはずなのに…まさかあれはフェイク?
いや、無惨を倒したら鬼は全滅するはずじゃ…
しかも陽の光の元を歩いても体が崩れていない…
無惨の様に首が弱点じゃなくなって進化した…?!
「なんで?って顔をしてるね…悩む君もすごく美しい…じゃないや、教えてあげるよ…ただ、ここは目立ちすぎちゃうな…移動しよう。」
確かに私達の騒ぎで野次馬が集まってきてしまった。
チラホラ「恋仲同士の痴話喧嘩か?」なんて声も聞こえてくる。
違うっつーの!
今、コイツにほいほい付いて行くのは得策なのだろうか…
ついて行ったらパックンチョ()とか私嫌だからね?
「安心してくれ俺はもう鬼じゃない人間さ、その証拠に…」
彼奴は自分の指に爪で傷を作って見せた。
でも一向にその傷口が塞がる気配はなく逆にどんどん血が滲んで遂にはぽたぽたと垂れ始めた。
不安だけど…信じて…みるか
なんでこんな時ばっかりいっつも私の事ストーキングしてるアイツはいないんだ!!
颯爽と現れてヒロイン助けろや!
あ、ヒロインは勿論わ・た・s(((
『わかったよ…一先ず甘味処に行こう』
「それは君が甘いものを食べたいだけなんじゃないかい?」
『黙れ…』
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徳門七渚(プロフ) - 題名から面白そうだなとは思っていたんですが、読んでみると大きな声で笑えるくらい面白く、出会えてよかったなと思いました。厚かましいと思いますが、続き待たせて頂きます。 (2023年1月14日 2時) (レス) @page27 id: 94ece86ff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃 | 作成日時:2022年2月24日 9時