-電話- ページ7
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1人ぽつんとソファーに座って、テレビを眺める。
センラさんは春ツアーの真っ最中なので、しばらく帰ってこない。
ツイッターを開くと、センラさんが前回の公演後にした、自撮りのツイート。
そこにはたくさんのリプが来ていて。
やっぱり、たくさんの人に愛されてるなぁ。
私だけのセンラさんじゃないんだなぁ。
何だか寂しくなってきてしまったので、スマホを見るのを止める。
すると、部屋にはテレビの音だけが響く。
前までは、2人の会話でいっぱいだったのに。
…何でさらに感傷的になってんだ。
ってか、別れた訳じゃあるまいし。
…電話、してもいいかな、
と思ってスマホに手を伸ばすが、
…いやいや、打ち上げ中だったらどうすんの。
何て考えてしまい、手を戻す。
結局寝てからも、なかなか寝付けないまま。
大きめのベッドに、1人だけ。
センラさんがいない。
1人って、こんなに寂しかったっけ?
その時、プルルル、と電話の鳴る音がした。
こんな時間に誰だ、と思いながら出ると、
「もしもし、A?センラやけど」
『センラさん!』
ずっと待ちわびていた、電話越しだからか、少し低く聞こえる声。
「ごめんな、こんな遅い時間に」
『いえいえ、全然大丈夫です!』
すると、センラさんの声がとても優しくなった。
「A、寂しかったやろ?」
『は、はい…、寂しかった、です……』
優しい声が心地良くて、つい素直に答えてしまう。
「あんな、俺も寂しかってん」
『え……』
ここは素直に嬉しいって言えばいいのに、余計な思いばかり湧き出てくる。
『で、でも、センラさん今日もたくさんのセンラーさんと楽しんだんじゃ…』
「あー、えっと、ちゃうねん。いや、違くはないんやけど…」
私の言葉を遮って、口ごもるセンラさん。
「…こんな、寂しいとか、会いたいとか、思うのって、Aに対してだけやねん。Aだけは、俺にとって、と、特別な存在なんよ。やから…」
段々と語尾が小さくなるセンラさん。
照れてる?と思うと、何だか可愛く見えてきた。
『ふふっ、嬉しいです』
寂しさ何て無くて、ただ帰りが待ち遠しくなった。
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ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2021年9月17日 1時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
七つ子(プロフ) - 雨上がりのcrewさん» 良かったです…!リクエスト、いつでも大丈夫ですよ!ありがとうございます…! (2019年7月17日 18時) (レス) id: e81a79aa4e (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - 最高でした、、、!!またリクエストしてもよろしいでしょうか?? (2019年7月17日 17時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
七つ子(プロフ) - 雨上がりのcrewさん» コメント、リクエストありがとうございます。嬉しいかぎりです!是非とも書かせて頂きます! (2019年7月1日 12時) (レス) id: e81a79aa4e (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - リクエストしても大丈夫でしょうか??センラさんが惚れたところから告白したところまでをお願いします!! (2019年6月30日 22時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:七つ子 | 作成日時:2019年3月25日 23時